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考察:ハーレム世界の文化誌
(2009/10/10)
竹内けん
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<'10/11/10>
1. 城郭建築と攻城兵器
『黄金竜』カーリング攻城戦や『ウェディング』の攻防を読む限りではユーラシア大陸、欧州や中国でお馴染みの城塞都市の攻城戦というよりは日本の城攻めに近い印象を受けました
確かにカーリングは城塞都市なのかも知れませんが、ユーラシア大陸ではよく見かける投石機や攻城塔の描写が無いので…
征服戦争を始めて3年の遊牧騎馬国家のドモスだからといえなくはないですが、二重王国もヴィーヴルや『女王汚辱』での対陣でも攻城兵器は見受けられませんでした
この事から、城郭の建築は投石機や攻城塔、火砲・ギリシャ火といった兵器の損害を考慮した造りではないのではないかと
因みに、投石機や火砲が発達してくると、高い城壁より砲弾によって崩され難い、厚みのあるモノに変わっていきます
飛竜という航空兵がいても、カーリング攻防戦でバージニアが風の魔法で飛行を乱しているので、魔法も重要なファクターだと思います
まあ、象を捕らえられるような巨大な鳥、ロック鳥による高々度爆撃は脅威だったり…精度に難はあると思いますが
日本の感覚だと城塞都市は篭る人数が多くなり必要な食料が膨大になって不利になるように思うかも知れませんが、半面矢玉の工場が稼動し続けられることや崩された城壁の補修や新たなバリケードの建設など人数が居るからこそ補修・補充が出来るという利点もあります
<’10/11/14>
日本でも大陸式の都城を建設しようとしました そう、律令制度を整備していく時代、平城京と平安京です
しかし、本当の意味での都城としては完成していないようです。
人口の違いか、異民族の侵攻が無かったからか、都市を囲う城壁としての機能も次第に省みられなくなったようで、以後、京都の攻防は、市街戦か、もしくは京都への入り口(ex.勢田口・丹波口)を巡る攻防に変わります
こういったことが日本での攻城兵器が普及しなかった一因なのでしょう
軍事面での土木・機械の有用性は既にローマ時代や漢の時代には分かっていた筈で、日本では必要が無かったか、技術が無かったかなのでしょう
一日の野営地でもそれなりの堅固な陣地を築くローマ軍、中国でも有名な三国志での官渡の戦いでは袁紹軍は堅固な陣地を築き発石車や穴掘りなどで状況を打破しようとしていますよね
今のところハーレム世界での攻城戦は日本史の攻城戦のようですので、もしかしたらこういう技術は出ないかもしれませんが
経済的に発展した西方城塞都市国家域や二重王国とかだと使っててもおかしくないのかなぁ、とも思いますね
2. 金属精錬技術
これも、工業に関わる分野なので
一応マイスターの記述から、名剣や魔法の武器などは一品物の技術者が仕上げる日本刀のような感じですね
日本刀は素晴らしいし、日明貿易でも輸出されていたので品質は折り紙つき、素晴らしいのですが…
しかし、その為の玉鋼(たまがね)作りには砂鉄を集めて造るんですよ…
つまり、鉄の地金を大量に造る事は出来ない製法なのです
鉄砲伝来により戦国の戦い方も変わったと言われる訳ですが、モデルとして日本人に与えられたのは軍事用ではなく狩猟用のそれだったそうです
しかし、当時からものづくり日本の地があったのか、上手く改良して早込めセットを作ったり、狙撃用のロングバレル(長銃身)を造ったりしてたようですが
が、戦国の世で鉄砲がポピュラーになった頃にはヨーロッパでは船や攻城戦での大砲の撃ち合いをやってたんですよね…
昔砲金についての生産に言及したのは大陸と日本の差を感じていたからで…
日本で大砲が普及しなかったのは、まず金属を大量生産出来なかったこと、造った大砲を戦場まで運ぶ輸送が難しかったこと、なんかが考えられます
だからこそ日本の城郭は大砲の攻撃を想定した造りには変化しなかった、のです
<'10/11/17>
イギリス王室の王子の婚約でマスコミは盛り上がってますが
王家のある国では大きな話題の一つではあります
我が国はダイアナ妃のような貴族出身、というのは無いわけで…前の戦争に負けて、家族は廃止されましたし
個人的には、王家があるならそれを支える貴族が居ないと制度としては不完全だと思ってます
平等という基準は置いて、という前提ですが
我が家はいいとこ士族なんで、華族ではないです
女性にはやはりシンデレラ、の夢がいいのでしょうか
もう一つとして、貴金属精練について
日本では義経が逃げ込んだ奥州藤原氏の本拠、東北地方の砂金は有名でした
“砂金”ということは浚うのは人海戦術を使ったとしても、その後の精練工程はないですよね
それで富の維持が継続的に行えたとすれば、豊かな鉱脈が東北にあった、と言えるのでは無いでしょうか
前にチートでイシュタールの銀鉱山について書いたりしましたが、仮に銀が地金で産出するならより収益を見込めますね
精練法は日本では戦国時代に、世界遺産になった石見銀山で灰吹法が行われ、そこから全国に広まっていきました
武田信玄の甲州金も灰吹法を用いるようになっています
鉛を使うこの灰吹法と水銀を使うアマルガム法がありますが、現代では二つとも有害金属ですね(苦笑)
しかし、この精練法によって鉛や水銀が必要な金属として取引されるようになるかも知れません
因みに石見銀山はその産出する丁銀が清やオランダ貿易に使われ、スペイン領有だったポトシ銀山(現ボリビア)と共に中国・欧州で知られていたそうです
年間38tはかなりの量なんですねぇ
<´11/12/31>
3.火薬
ルネッサンスの3つの発明品の一つで中世の停滞していた(主に西欧でであるが)文明に一石を投じ世が変わるきっかけとなったものであるのは有名ですね
オーシャンでは海龍討伐にこの火薬、炮烙玉という形で牽制に使っている
どれ位大陸で普及しているかは不明ですが、漁師が買い揃えられた、という事実から比較的流通しているのか、或いは海龍という危険な相手なので村の財を集めて買い揃えたのかも分からない…
ただ、今まで戦場の描写で火薬の言及が無かったので、未だ翡翠海や西方独特である技術なのかもしれない
魔法がある世界で現に戦で使われているのはこちらであるようだし、戦での火薬の用法は未だ未開発なのかもしれない、銃も無いようだし
もしこの火薬が戦争に用いられるようになるなら、硝石と硫黄の取れる所が重要になる筈である
もう一つの材料である木炭はまあ作ろうと思えば作れるし…豊かな森林があれば有利ではありますがね…
未だ、花火とかの利用なのかなぁ…初期の黒色火薬では威力も現代のモノとは比ぶべくも無いし…
<'11/2/25>
4. 船舶・航海術
パイレーツを流し読みした程度で書いているのでアレですが…
パイレーツは『パイレーツオブカリビアン』が当時流行っていたので編集さんに勧められて出来たとか聞きました
そうだとすると、『南海の鷹』号はキャラック(Carrack)なんじゃないかと思います
『ベルセルク』で乗っているのはガレオン船かな?
オールがあって大砲も積めるようなガレオン船ではないと思います、十余人も居れば動かせる、とありましたし
『パイレーツオブカリビアン』という先入観から、日本くらいの面積程度のハーレム世界の大陸の翡翠海で“外洋船”って要るのだろうか?と思ってしまった(苦笑)
おそらく縮尺は無いですが、ガイドブックの翡翠海の大陸側の海岸線って千葉の房総半島の先端から西へ東京湾を通って静岡までの海岸線の距離より無いのでは?と感じたので…
また、ガイドブックのインタビュー記事から他の大陸は無い、との先生の回答でしたので、大航海時代のような数千リーグを走る船を大陸の住人は造る必要が無いのではないかと
需要の無いところに供給は無いでしょうし、現代の鉄の船で築20年で古いと言われますし、ましてや木造船だとメンテナンスをマメにしても十年保つかどうか…
海棲生物は着くし、板の合わせ目からの浸水を防ぐシール、板そのものがダメになるフネクイムシの板の交換…結構海軍の維持にはお金が掛かる筈
よしんば欧州北海沿岸で使われていたゴグのように、地中海のような内海で使われている船に対しての外洋船という事かも知れませんが…ハーレム世界の大陸に内海無いですしね…
日本に共通することも多いハーレム世界、有名な千石船とかは米に換算すると重量は150t(米一石=150kg)積みということになりますが、桧垣回船や樽回船の時代、欧州や中国ではより大きな船が活躍してましたし…まあ徳川幕府が千石船より大きい船の建造を禁止してましたからなんですが
でも、翡翠海の南や東に数百km以上離れた島々とかないと、航続距離の長い船は要らないのでは…と考えたわけです
あとは、キャッスル3でグロリアーナとのお忍びデートで使った小船は魔法宝珠で動かしていましたが、数十ton以上の船は動かせないのでしょうか
船の動力として魔法はあまり考えなくとも良いのかも知れません
でも、ダイナスト下巻のカーリング攻防のくだりから、風の魔法で矢弾を防ぎ飛龍の飛行を乱せる風力を生み出せるなら帆に当てれば推力を得られるような…それなりの人数の術者が要るのか?
…キャラック船を否定しておいて何ですが、すると金持ち国であるシェルファニールとかに、より大型のガレオン船の発明の期待が出来るかも
大砲はない世界ですが、魔術師を乗せ、パイレーツの記述から海戦は乗り込み白兵戦であるようなので漕ぎ手も奴隷でなく水夫にすれば兵力も多いわけですし、弓や弩や魔法と火力も多くなるので…
<’11/3/8>
5. 食文化
昨日、NHKの『プロフッショナル』での中華料理人の創作についての番組を観てちょっと触発されたので
中途半端ですが…
ハーレムシリーズでは、サツマイモやジャガイモ、羊羹やお茶・紅茶・コーヒーといった現代とはあまり変わらない食生活なのかもしれない
しかし、『美味しんぼ』の日本各県の郷土料理めぐりや、世界三大料理(フランス・中華までは結構認知されているが、後の一つはイタリア・トルコと様々な意見が…)など地域や風土に影響された・影響を与えていた料理があり、それがその地域や社会の特色になっているのは疑いないと思う
番組では情報化社会の現代、様々な地域の料理人が様々な地域の食材・調理法を駆使し自らの新しいレシピを生み出していく様が、印象的でした
ハーレム世界は中世に近い社会体制のようですが、腕の立つコックはおそらく普通の市民より遥かにいい暮らしが出来るのではないだろうか
この料理人の職場の流動性や、流行の様子などが分からない故に、ハッキリとした事は述べられないですが…
比較的安定していて裕福な西方城塞都市国家群であれば、料理人が競い合い、新風を生むために創作する、ということもあるんじゃないかと。
因みに現代のフランス料理は、それまで食器も木の板に載せた物をナイフで削ぎ落として食べるフランク風からイタリアの陶器の皿に乗せフォークやスプーンなどの食器を用いて食べる洗練されたものにカワッテイクノハ、カトリーム・ド・メディチスが嫁いでからだとか
イシュタールで供されてグロリアーナとフィリックスが食べた子羊の焼き物は、どんな調理法だったのでしょうか
…インド風のスパイシーなモノではなさそう(笑)
<'11/4/16>
先生のサイトで、好物は干し柿だ、と。いや、私も10代の頃は結構食べていましたが…今の味覚では甘過ぎてアカンですわ
ドライフルーツ全般に言えることですが
中東とかではドライフルーツポピュラーですね、前にも書きましたが
イチジクとか、生でもアカンのにドライフルーツは更に…
そう言えば定食とか、米主食?野菜炒めをパンでは食べんよね…
<´12/1/1>
6.食器
キャッスル外伝とレジスタンス2外伝にて高級食器として、陶磁器の産地としてはラルフィントが主流であったがムスラン商会を中心に洗練された逸品を生み出し大陸に知られるようになっている
どうもラルフィントは拳法の寺とか中国をモチーフにしたと思われるが…ボーンチャイナの景徳鎮とかね
これに対してイシュタールのは伊万里とか有田とかかなぁ…
西欧風の宮廷文化もあるけど、日本やアジアの料理や食べ物あるし…
ティーセットや高級食器類は確かに利益を上げれるとは思いますが…船便での輸送の有利さを考えれば平民の富裕層くらいにも買える食器も数を造れれば貿易量も増えると思いますな
あとは銀食器などですが、言及はないですね…
銀は化学反応し易いので、毒が盛られていると色が変わると思われていたので王侯貴族に使われていたらしい
まあ、ハーレム世界では魔法で識別できるのかも知れませんが…
<´10/12/25>
7. 音楽・楽器
ミストレスでピアノが登場
シュウさんからの指摘もあり、ちょっと書いてみようかと
知っている方も居るかもしれませんが、ピアノは打楽器と弦楽器を併せ持つ楽器です
これの前身の楽器はありましたが、イタリアでハンマーで叩いた後それが弦から離れる仕組みが発明され、ピアノの雛形になります
因みに何故技術やモノの歴史を書いていくかといえば、それを記述する事により社会がどう発展したか、それを生み出して社会がどう変わったかを理解していけると思うからです
ピアノを有名にしたのはショパンが思い浮かびますが、ハーレム世界でも偉大な足跡を遺した音楽家とかいますかね?
また、ピアノの発展により、その演奏可能な音階域が広いため、作曲をする際ピアノ曲を創り、それからオーケストラにアレンジする、というやり方が広まります
つまり、近代の音楽の形態である、オーケストラも存在するのか?という疑問が浮上しますね
因みに現代のオーケストラは、近代にブルジョアジーを生み、彼らが聴くコンサートなどが盛んに開かれ、大人数に聞かせる為に音量も大きくなっていったそうですよ(第3の波 アルビン トフラー)
音楽や芸術が王や大貴族のパトロンから、興行的なものに変わっていくという課程も見て取れるわけです
…私はクラシックには造詣が深くないのでこの辺で、ボロが出ます(笑)
詳しい方にも意見を聞きたいものです
<'12/4/21>
8.時計
サーヴァントでは小道具に出て来た懐中時計。
執事には付き物のような道具ですが実はこれ、17世紀に出来たんですよね~
元々、機械式はガリレオ・ガリレイが振り子の原理を発見して振り子時計が発明されて…
…そういえばハーレム世界も“惑星”なんですかね?
で、あれば“コリオリの力”も発見されていてもおかしくないですが…何せ懐中時計があるわけですし…
何故に出したかというと上の砲撃の計算にも必要だから。
方位・距離・標高差・風向・風力・湿度・気温などの他にデータの一つとしてコリオリの力、も入れてはじき出していた筈なので。
脱線しましたが、振り子の原理を使って振り子時計が発明されたのが1657年にC.ホイヘンスによってで、その前後に髭ゼンマイが研究され1654年にR.フックが定期的に振動することを発見して、1675年にホイヘンスがこの原理を利用して発明したという事です
つまり、17世紀レベルの科学技術がある…ってパンストあるんですよねぇ、ハーレム世界には(苦笑)
何よりも技術的には巨大なモノを作るの0も大変ですが、小さいモノを作るのはまた違う困難さがありますから…
部品の小型なのにある程度の強度と形成の正確さ・精密さ、力が均等に加わるような設計・組み立て(不均等に力が加われば強固な素材でも損耗し易くなります)などなど…
キャッスル(や他でも、オーシャンなどでは船の中で冷蔵魔法具が使われてるようですし)日常に魔法技術があると、高価でも科学を探求することに人間が力を入れるのか?という疑念を抱いてしまうので。
ともあれ、前近代でも、ドラマにもなった村上もとか先生の『JIN~仁~』では江戸時代(幕末ですが)職人の技術の高さから現代の医療器具をそれしいものを作らせていましたね
ので、一般用の職人には高い技術を怒る人がいてもおかしくはないので、中世とか前近代の世の中でも侮ったものではありませんが…
まさか、時計職人のハーレムの話が…w
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