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考察:ペルセポネの養子縁組について
(2007/04/17)
竹内 けん
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<'10/10/28>
江保場さんところでの野暮天さんのこの話題に関して言及されていた事で知的想像心を刺激されました
多謝!
絵師の関係でキャッスルの先の見通しが立たないなら、フィリックスがペルセポネに乗り込んで、内紛になった王子の未亡人や姫・対立派閥の武将や宰相の未亡人やそれに当たる姫を攻略していく、というもので、なかなかにイケそうです(笑)
ペルセポネに乗り込むに当たって、ウルスラとシャクティは同行すると思われますが…
二人とも妊娠していて同行は不可、という手もあるかと思います
そうなれば新登場のヒロインたちの絵が違っても、大丈夫という意見に頷けますね
私はイシュタールの周りからも連合で活躍する人材が欲しいと考えているので、ペルセポネの王子と宰相などの派閥争いによる内紛、で国が崩れていったと考えていました
双方、シャリエラの離間策に乗り、お互いの部下を謀反人などとして討ち果たしてしまったり、或いは領地での問題(相続等での境界線や水利での対立)を煽られ拗れに拗れてしまった、とか
こういった揉め事で国が二つに割れた場合、どちらの側から後継者が出ても蟠りが出る筈である
それ故、西方諸侯連合の盟主であり、先だって(どちらが先か?という時期に関しては議論の予知がありますが)ドモスと二重王国の停戦を纏めたフィリックス、或いは彼と王女コーネリアの子を養子として後継者としたのではないだろうか
<'10/10/30>
1. シャドウの時期
今回の『大空の調停者』でのヴィシュヌ妊娠という後付けの出来事がありますが、やはり和睦後のお話しでは無いだろうか
『告死蝶々』の全てのメンバーが王都プロバンスに居たことで女王親征のサブリナでこの時には大規模な軍勢の動員は無い、と考えられます
更に巻末のシャリエラのペルセポネへの離間策の結果待ち、またエトルリアとの同盟の再確認と詳細の詰め交渉、を待っていたと考えられます
つまり、シャドウ時点のセリューンにとって、妻の出産までの付き添い・ペルセポネ工作の経過観察と威圧・エトルリアとの同盟交渉の詰め、という3津もの理由がある故のサブリナ滞在ではないかと
『女王汚辱』を見る限りではオルシーニの軍師セリューン、でしたが、二重王国の国王という立場に変わっているのでしょう
2. シャドウ時点での情勢
時期が調停者後、という前提になりますが…
レジスタンスやガイドブックの記述から、インフェルミナ方面はレナスに任せている事が分かります
ドモスが強化しようとした(元々二重王国に対しては周辺国は脅威に感じ同盟の流れになっていたと思います)反二重王国包囲網は流石にこれが機能すると厳しいと思ったのか、セリューンも積極的に同盟の瓦解に動いています
因みに三十六計の内、反間計(離間策)は敗戦計の中に分類され、自陣が不利な時に行う計略とされます
仮にシャドウが百日戦争前だとして、ドモスに降伏したメリシャントのお陰で隣接することとなった二重王国とっては、侵略拡張主義を実行し12ヶ国を有するこの地域が要と考えるだろう
とはいえ、メリシャントといいペルセポネといい搦手から攻めるのが常道のようですが
百日戦争で動員した二重王国4万は工作で機能不全に陥らせた反二重王国包囲網に対する最低限の国防の兵力を置いた最大限の兵力ではないだろうか
そのように考えていくと、二割を超える損害を出した軍は休養期間は不可欠だと思う
補給も国力の休養も要らずに進軍に次ぐ進軍が可能だという大軍略家ならやりおおせるんでしょうなぁ
私は、エトルリアのクーデターが終わり、インフェルミナのカリバーン奪回が終わり、百日戦争の講和が成った後の、小康状態だと考えています
3. ペルセポネの情勢
1) 国内勢力
『女王汚辱』でも『シャドウ』でも『キャッスル』でも常に軍事力を行使している国として描写されています
確定した情報ではないですが、サブリナ成立の記述からやはり私はこれだけサブリナとペルセポネと戦っている事から豊かな田園地帯を持つ隣国を奪うという単純な理由だけではないと思えるのです
旧ダスタールの王家・遺臣たちを抱え込んでいるのではないかと
もちろんペルセポネはオルシーニとも戦っており、境界が接しているとすればメリシャントとも、隣国のエトルリアとも干戈を交えているのは疑うべくもないと思います
しかし、残念ながらペルセポネの勢力が拡大したという記述が無いため、取ったり取られたりという事なのでしょう
2) 内紛
これはシャドウの中で、シャリエラの離間策に嵌まって内紛を始めた、という記述しかないので推論でしかないのですが
① 戦略目標での対立
ペルセポネの方針として、二重王国と講和するか戦争を続行するか、という政策の対立が考えられる訳ですが、キャッスルでのイシュタール侵攻を見ても考え難いですよね
なので、戦争は続けるがその戦略目標の対立、という論点を考えました
a. 対サブリナ戦線
シャリエラのが離間策を使って来たことから、この戦線でのサブリナの出方は、要害や城塞に篭っての堅守、では無いだろうか
ドモスとの決戦を考えているセリューンにしても、南のペルセポネ戦線を膠着状態にしておくことは望ましいと思います
そこで、違う方面へ転戦して戦局の打開を図るという戦略
例えばペルセポネからプロバンスに続く街道沿いに進軍していたのを、リュミネーを使って下流か上流に移動し、進軍する、とか
三国志の例だと長安方面で曹操と馬超の戦いで渭水の(確か)上流の渡河地点から徐晃と朱霊で側面・後方を突いた作戦のような
または、セリューンの仕掛けだった訳ですが、メリシャントが国王と臣下で対立している情勢から、主力をサブリナ方面からメリシャント南部・南西部へ転進させ、メリシャントを奪うというもの
戦略方針の転換と維持・戦略目標の変更を対立軸に持って来たのはペルセポネの軍事国家という性質を考えのことです
余談ですが、軍事上の勝利によって利益をあげるのは当然ですが、優れた外交交渉能力はそれ以上に重要だと思います
世界史で代表的な例としては、ナポレオン戦争後のフランスのタレイランでしょう
ランペルール(皇帝ナポレオン)のヨーロッパ統一の為の侵略戦争は侵略された国からすれば、賠償金や領土割譲を期待していたでしょう
しかし、タレイランは上手くフランスの領土を確保し、多額の賠償金も免れました
また、当時の国際外交の常識では当然だった、ベルサイユ講和条約での多額の賠償金と領土の割譲も、長い目で見ればWWⅡを引き起こすきっかけの一つとなっていますし、終戦後の後始末はなかなかに難しい
国を滅ぼして吸収するドモスでも、百日戦争を経て反乱に悩まされていますし、フレイアで勝利したところで勢力内での反乱が鎮まる訳ではないですから
寧ろ砂漠という荒野はゲリラ戦には適していますし、戦術の天才であるフルセンのエルフィンを相手にしなきゃならん訳で
話が逸れましたが、こういう意見の対立を土壌にして、コメントで書いた、無実の武将に謀反の疑いをかけるような工作や、領土争いや水争いなどで対立を煽る工作をしていったのではないかと
② 養子縁組
イシュタールからの養子縁組によって事態の収集を図ることにした、という記述から両派が戦闘を始めてしまったか、その直前の険悪な状態になっており、どちらかを立てたら国が分裂しかねない状態なのでしょう
或いは国王と王子の対立といった深刻な事態かもですね
この場合、中立の立場という事での養子の擁立という事になります
フィリックス殿下自身が養子になるのか、殿下とコーネリアの息子(娘?)が養子になるのか分かりませんが
『大空の調停者』からキャッスルから4年で西方では有名になっているフィリックス、とありますので2でのペルセポネとの紛争を始め、他の隣国3国とや或いは西方城塞都市国家・朱雀神殿との問題を上手く捌いてきた政治・外交の手腕を見せてきたのではないでしょうか
現代の我々でも近くに居て生活していれば隣とのゴミ捨てや雪掻きの雪の置場(雪国限定か 笑)、騒音等で揉めますよね
国同士でもお互い生活する以上はどうしても揉め事は起きるわけです
それを政治・外交で片付ける手腕は評価されるべきでしょう
もっとも中世のような戦乱の世では力(軍事力)で解決してもいいわけですが、相手がその結果に唯々諾々と従うかはまた別だと
だから長い目で見れば政治・外交での解決はコストも安上がりと言えると思いますね
a.フィリックス殿下自身の場合
フィリックス殿下がペルセポネの王の養子となれば、ペルセポネ廷臣の忠誠を得るのに少し時間が要るかとは思いますが、あの気性からそれぞれの能力を生かすという方針(当然人を見る能力判断してから)で信頼を得るのではないだろうか
ペルセポネ人の気質から武人や武将で優れた人材は居るでしょうし、ペルセポネ気質から今迄はあまり評価されなかった文官や政治家、知謀の士といった人達にも活躍の場を与えることでしょう
内紛で実際に両派が干戈を交えていなければその分新しい国王候補の下案外早く纏まれるのでは
この場合の利点は殿下がペルセポネの兵力を使えるようになること、対外的にも国内的(クリームヒルト公爵)にもカードとなるわけです
ヒロインに関しては現ペルセポネ王妃(コーネリアの母とは限らない)とか、王太子妃や宰相の妻とかは未亡人でないと…でも、やっぱりペルセポネ人からすると寝取られた感を持って反発をされるかも…
b.コーネリアの息子(娘)
この場合は母のコーネリアを補佐して暫く殿下がペルセポネに掛かり切りになるかも
いくら年長でも3歳くらいなわけですし
息子(娘)とコーネリアを支える政権を作り上げ軌道に乗るまではサポートしないと…
<'11/8/25>
野暮天さんのコメントに関し、養子縁組と三重王国構想について、私なりの現状分析・二重王国の戦略を記していこうと思います
コメント欄では、長くなると思ったので。
上の文章とは繋がらないですが(苦笑)
4. 二重王国の情勢と戦略
シャドウからそれ以前のパイレーツ、クライシス・ウェディング・ジェネシス・デスティニー・大空の調停者・ミストレス・シスター2と資料が増えたことで以前よりより鮮明に把握出来るようになりました
それによれば、メリシャントでドモスと二重王国がぶつかる前、二重王国は強力な国家が二つ結び付き合った為に周囲の国家が脅威を感じ反二重王国同盟、メリシャント・ヴァスラ・オニール・ペルセポネ・エトルリア・モンテナルモ・ディヴァンが連合して囲み込むという情勢になりました
この内、オニール・モンテナルモ・ディヴァンについては未だ分かりませんが、エトルリアについては自国の勢力形成策の抱負を持つリカルド王子がクーデターを起こして国権を掌握、その力を翡翠海に注ぎ込む為に二重王国と同盟します
まあこれは攻防同盟というよりは不可侵条約に近いような気もしますね
そしてヴァスラは隣国インフェルミナがドモスに侵攻され征服された事で耳目はそちらに移り、その力は対ドモスに向けられ、セリューンの発案もありレナスを中心とするインフェルミナ解放に力を注ぐことになります
ウェディングの記述からインフェルミナとヴァスラは二重王国陣営と記されており、アリオーンの対ドモス友好外交への模索にも拘らず、反ドモス陣営に組み込まれています
メリシャントに至っては、シスター2の時代よりドモスの影が見え始め、おそらく対二重王国どころではなくなり、国を衰退させるよりはと降伏を選ぶわけですが、それでは直接ドモス勢力と接することになるとセリューンはメリシャントの国粋主義者たちを煽りクーデターで親二重王国へと塗り替えます
こうして見ていくと、来るべきメリシャントでの直接対決に向け戦力を集中していて、とてもペルセポネを征服する軍勢を廻す余力は無いように思います
それ故の離間工作であり、第1の目的は二重王国への侵攻の矛先を止める、或いは向ける余裕を無くす、というのが妥当ではないでしょうか?
サブリナによる侵攻は無理としても、次善の策である乗っ取りは不都合が生じれば軍勢で制する局面も必要になる(準備は要るかと)と考えるからです
2派に分かれて相争い、泥沼になれば二重王国の力を借りてでも決着をつけよう、という思考に至るかもしれませんし
内乱の悲惨さはそこにあります
実際、優れた力を持っていた中世都市国家のジェノヴァも、グエルフィとギベリンの争いで国内政争に明け暮れ、エネルギーを無駄に使ったといえます
何しろ、グエルフィが勝てばギベリンの一派は国外追放、逆になればそれまでの与党が国内一掃、を繰り返すのですからね
ペルセポネの場合、殿下の(シャクティの)仕掛けもあったのかも知れませんが、ペルセポネの王族・貴族もこのまま相争うのは良くないという良識があった、と思いたいですが。
或いはそれを上回る二重王国憎し、の感情が両派にあったとか
末期の古代ローマはともかく、ローマでは国内の政争に外国勢力を借りる、という事はしない民族でした、そういう歴史的事実もあるので。
セリューンの仕事として、講和後は戦線を整理して、自国の2割の損害を癒す、という国力の再生も必要な時期にあると思います
これは語られていませんが重要だと私は思ってます
また、ドモス内の反乱・自立を期する勢力への効果的な支援も必要でありその事は大空でも触れられています
こう考えると、二重王国の戦略全体を見渡した場合に、果たしてペルセポネやイシュタールを取り込むのはそれ程優先順位があるとは思えないんですよね
ジェネシスで10年ぶりに他国を併呑できたのは各地の反乱や敵対国の攻勢にそれを跳ね返し打ち破ることが出来ず、熟して落ちそうになった果実を揺らして落として手に入れたに過ぎない情勢から、ジェネシスの時代までに渡るセリューンの対ドモス工作の成果の表れではないでしょうか
<'11/8/26>
全体を見渡したセリューンの戦略を描いていったのも意味があります
イシュタールとペルセポネが連合しての巨大勢力の形成を憂慮する二重王国の立場は確かにそうですが、キャッスルの時点で既にペルセポネの他にもクレオンレーゼ・ダリシン・シェルファニールと5ヶ国連合を築きつつあるわけですから、単にペルセポネのみを崩したところで潜在的脅威の形成という課題には然程影響はないのではないでしょうか?
このイシュタール連合(西国諸侯同盟)は下手をすれば総力で二重王国に対等か、上回りかねない戦力を有するとも考えられますし
まあ、エトルリア・メリシャントと反二重王国同盟の主力国家が脱落した後も積極的に二重王国の攻勢をかけていたことから、二重王国としてもペルセポネの内紛工作は国防上かなり意義がありますが
この積極さから、サブリナの前身、旧ダスタールの王族や有力遺臣が居るのでは、と書いていたわけです
寧ろ、語られている部分から類推するならば、クライシスでの結果二重王国の北・東側には対ドモスという名目にせよレナスを中心とする連盟が出来上がっていて、更に10年くらい後のウェディングでその内のヴァスラ・インフェルミナを取り込みヴィーヴルからの侵攻を企てたという事実からもこちらに力を入れていたのではないでしょうか?
西のイシュタールを中心とする西方諸侯連合も脅威だとは思いますが、積極的攻勢を見せていませんし、翻って二重王国の東方に腐ったとはいえ大国のラルフィント(正確にはその半分の山麓朝ですが)が出張ってきているのも、危険な状態ではないでしょうか?
5000とはいえドモスの駐留軍を打ち破りその主将の首を取った戦果は、この地域でのバージゼルの名声を確固たるものにし、盟主としての声望を得ていると思われます
それ故にセリューンとしては山麓朝の国王に働きかけ、レナスを雲山朝との戦いに駆り出すように促し、その結果10年くらいの働きの帰結として、バージゼルの山麓朝乗っ取りがプリズナーで語られると考えれば、ウェディングの記述と合わせてもヴァスラとインフェルミナを取り込みドモスの裏を攻める戦略に出たというのがその真意のような気がします
また、ペルセポネ・イシュタールの懐柔ですが、私としては策としてはそればかりではなく、ドモスとイシュタールをぶつかるよう工作するという手も有る筈です
ましてやメリシャント方面というか、そちらの担当のリンダは、まあ凌辱時代の作品とはいえ『妖姫リンダ』でのやり方は、トミトミ監督が自ら封印しようとしているVガンダムのザンスカール帝国の占領政策、“ギロチン”を想起させ、軍政家としては頭が良いようには思えませんし
ハーレム世界のこの大陸は日本をモデルにしているようなので、中国の歴史や東洋的考え方からしても、ドモスがエクスターを“懐かせている”とは思えません
ましてやシスター2を見ても3名臣の内一人がまた陪臣に飼いならされたとあっては、エクスターの国粋主義者や愛国心や民族の尊厳からも旧王族・貴族共に国衆・民衆の支持を得られるとは思えませんし
メリシャントもクーデター派を抹殺したとはいえ、やはり民族や独立の想いを断ち切れせたとは言えないのではないでしょうか?
領民の逃散や反対派貴族の亡命は国として許してはおけない事態であり、その先としてイシュタールを二重王国として唆し、エクスターやメリシャントのかなりの数が向こうへ行けばそれは既に国際問題となる筈ですよね
まあ、イシュタールの国力を上げる手段としてドモスからの人口の受け入れ、は昔から良策として自分は書いていたわけですが、100%メリットだけの政策や戦略ってまずないですからね…
そういう切り口から反ドモスに仕立て上げて“敵の敵は味方”に追い込んでいくのが、無難で自国の益になると思いますけど…
<'11/8/28>
それをいったら身も蓋も無い、と言われてしまうかも知れませんが、予測する、という事とそれに対する策を練る、という事とそれそ実行して効果を上げる、という事それぞれの間には距離があると思うのですよ
例えば、袁紹は対曹操の包囲網を築くため、劉表と張繍に同盟の使者を送りましたが成功しませんでした
袁紹としては曹操を相手にする時、周りを敵対、或いは中立で孤立無援にするという戦略は間違ってはいません、それどころか正解ですよね
しかし、成功しませんでした
そこで考慮しなければならないのはイシュタール連合(西方諸侯同盟)はなぜ生まれたのか?という動機です
3のルイーズの言葉を借りれば、ドモスの侵略攻勢の拡大や強力な二重王国の成立、に怯えている西方城塞都市国家群の心理が語られています
つまり、ペルセポネの内紛工作によって二重王国とは西方諸侯にとって敵対的勢力であり、侵略(拡張)主義で西方は狙われている、という認識をペルセポネ以外の他の国にも抱かせたのではないでしょうか?
で、あるならば、盟主たるイシュタールとしてはペルセポネを纏め、もしくは両派を仲裁し、侵略の防御策を示す必要が出て来ます
勿論、連合の他の3国から表だって求められたわけではありませんが、同盟国の危機に何もしない盟主ではパウロのような賢い宰相は見切りをつける題材となりかねません
故にイシュタールとしてはペルセポネの内紛はなるべく早期に解決し、その政情を安定させる必要が出て来ます
それに答える奇貨が養子縁組、という事でしょう
以上はイシュタールから見た情勢・戦略です
翻って、セリューンの重要課題は…
繰り返しますが、まず軍の損害の回復・国力の休養
そして、やはり対ドモス工作が1番でしょう
まず、両軍メリシャントから撤退(実はドモス軍だけ撤退?)なのでサブリナ・オルシーニ国境地帯には急行できる軍の配置と糧食・武具・そして道路の整備などがあげられます
そして、メリシャントの親二重王国勢力に対しての援助(城塞の改修や新築・軍資金・兵糧・武具や馬具・馬などの支援)、ドモス国内の(二重王国的に)有望な反乱勢力の把握と支援(軍備だけでなく、戦闘指揮官の派遣;これについては前に書いた追放処分のツヴァイクの派遣:や傭兵団の雇用と貸し出し・ネフティス反乱への支援も十分に考えられます)、ラルフィント-レナス影響力のヴァスラ・インフェルミナからの排除…
これだけでも予算と人材をかなり消費すると思いますが
仮に、ペルセポネ養子縁組に対して脅威を感じ妨害しようと試みたとして、いかなる策があるでしょうか?
直接の軍事的侵攻、は国力と時期的には厳しいでしょう
盤上のコマを進めるように侵攻は可能、と考える大戦略家なら別でしょうけどw
結果的に養子縁組が成立しているので、両派共に二重王国は敵、という認識はあると推察できます
そして養子縁組に両派どちらかに反対を表明させる、という妨害工作がありますが、前述の認識と、おそらく両派のどちらも二重王国の意のままになる(多数派工作が成功したとか、秦檜のような親二重王国の重臣を送り込んだとか買収したという事実は無いので)わけではないのでこれも厳しいですよね
つまり養子縁組に関してはペルセポネの内部で分裂に成功させたとはいえ、意思決定に介入出来るわけではない
セリューンとシャリエラが何かするとして、他に何か策があるでしょうか?
我が国の戦国でも、元亀元年から始まる対信長包囲網で敵だらけになった信長ですが、解決策としては各個撃破でした
優先順位をつけ、手が回らない戦線は膠着状態にするとか先延ばしにして時間稼ぎをするとかして対応していました
また優れた戦略家の武田信玄も調略や外交を駆使して勢力を広げていましたが、関東の攻略は上手く行きませんでした
勿論信玄は"上洛"が最終目的だったという事があるでしょうが、しっかりと関東制覇という明確な目的の北条に関東では苦戦させられたという事もあるでしょう
つまり、上洛とか関東制覇とか明確な戦略目標がある場合に、他に国力の多くを割いて対するのは得策ではない、ましてやメリシャント後対ドモスの盟主、という声望を得てしまったが故に対ドモスの支援、戦略を中心に考えざるを得ない、であるから西方諸国の結束に脅威を感じたとしても二重王国にはそれに対する有効な手立てはなく傍観するしかない、というのが私の見解なのです
だからこそ、養子縁組の話に、妨害したかもですが、纏まるとなったら、サッとペルセポネ分断統治は諦め、事実を追認して矛先を収め中立の立場に鞍替え、でもセリューンの如才なさが出ていると思います
分裂工作が成功したのに、イシュタールに養子縁組の案を提案し、有利な条件(ペルセポネ国境の二重王国に有利な境界の確定)を引き出すというのもおかしな話ですし、ペルセポネからしたらイシュタールの背反行為と映るでしょうし
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No title
ペルセポネそのものの力だけでなく西国でのイシュタールの指導力そのものが一変することの影響が大きいかと
元々イシュタールは西国での地域覇権国家だったと考えられますが、完全に他のすべてを圧倒するというほどの差ではなく王権もそれほど強くないらしいという弱みがありましたが、イシュタールがペルセポネを併呑することにより
①パワーバランスが完全に一方的になり西国すべてを併呑することも可能になった
②イシュタール王直轄地+ペルセポネ王直轄地となりしかも、貴族たちもイシュタール派とペルセポネ派に二分されるわけで王権が圧倒的に強くなる
と連鎖反応的に状況は変化するでしょう
セリューンやシャリエラがこれを予測しないはずがなく、なおかつこれを妨害しないどころか後押しするのであればイシュタールと二重王国間に何等かの合意があるのではと思うのです
No title
ヒルメデスの乱による傷が癒えたイシュタールがペルセポネを併合すれば二重王国の半分以上の兵力を持つ国として隣接するわけで、イシュタールが二重王国の同盟国にならないのであれば潜在的な脅威としてはかえって悪化することになります
セリューンやシャリエラが何も手をうたず自分の裏工作でそのような事態を招くほど愚かとは思えません
No title
かもしれませんがイシュタールがペルセポネを併合し強大になるのも、イシュタールが二重王国の同盟国でない限り二重王国にとっては歓迎できない事態でしょう
豊かな二国が合わさった二重王国とはいえかつて最強と呼ばれたクラナリアの兵力が三万三千だったことを考えると、精々遠征軍四万に後詰一万の五万が限度でしょう
ペルセポネ一国の国力はそれよりも小さくとも、ミストレスにおけるユージン勢一千がシャリエラ軍の有力な支隊という記述からしてこの時のシャリエラ軍は五千以上と推測され、それを相手にしながらイシュタールに三千の兵を差し向けたわけで一万ぐらいの動員兵力はあるでしょう