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考察:現状分析 3.3
ハーレムストライカー (二次元ドリーム文庫 226) (2012/06/13) 竹内けん 商品詳細を見る |
<'12/6/13>
1.時代背景
この時代、セリューン24歳にしてディヴァン王国の相続問題に介入しています
と、いう事は年表によると二重王国成立の翌年、キャッスル1・2くらいの頃ですね
つまり、合併した次の年にディヴァンへ…う~ん結構『女王汚辱』でのオルシーニとサブリナの傷はあると思うのだが
因みに、この時ヴァスラを監視する軍の指揮を任されたのがギンブレットだそうだ、セリューンの推挙に因るそうな
二重王国包囲網が形成されてはいるが、オルシーニ時代に痛い目に遇わされたメリシャントは積極的に動かず、ヴァスラはジェレミイが国内の権力を目指して内乱状態…
後付だけどこれではエルトリアのリカルドが包囲網を見限ったのは当然、と言えば当然になってしまいますなぁ
そして今回の舞台のディヴァンはというと、庶長子のヴァルモアが軍権を掌握、嫡男のリーフレッドは二重王国へ亡命、正当な継承者に王権を戻す、という形で侵攻した
そして、野戦でヴァルモアの軍勢を打ち破り、王都デミアンは無血開城される…
もうキャッスルの時代で動いているとすれば、ルイーズの語った、西方諸国は怯えているというのもより実感できますね
今迄の記述だと、エルトリア・メリシャント、あと記述から間接的にペルセポネが反二重王国同盟の基軸国みたいですが…
二重王国設立から1年でデヴァンを従えてしまったら、その後の反二次王国同盟の動揺やもしくは危機感は上がると思うのですよね
つまり、強国が一緒になったという漠然とした不安から、実害が出たという危機感に上昇する筈ですから…
2.セリューンの戦略
これは作中でセリューンの口から語られていることですが…
① 分断統治
他の作品でもその方針を取っているとの記述でしたね
戦争で勝っても自治は残し、その国の経済はその国で発展させ、従属国民のプライドを残し、積極的に生産に励んでもらおう、というやり方だ。
大陸統一という目標に邁進するロレントは異なり、女の尻を追いかけていられる世の中、が口にした通りの理想なら、二大勢力として大陸の運命を賭けて戦うような様になったのは皮肉というべきか…
かくして嫡男リーフレッドは国王に返り咲いたが、庶長子ヴァルモアは処刑されなかった…
降伏したのに処刑してしまってはこれから降伏するモノは現れないから、との事。
記述的には無かったですが、個人的には生かしておいたのはもう一つ理由があると思いますね
ひらめきは南宋の初代皇帝高宗と北宋の徽宗・欽宗の関係からですね
金は北宋を滅ぼした後皇帝の欽宗とその父の徽宗を満州へ連行します
更に政治家として秦檜を送り込むわけですが、その金への従属外交への切り札として、欽宗を南宋に送り返す、という策があったのです
南宋の朱子学では長幼の序などに厳しかったので、弟である高宗は兄が戻ってきたら欽宗を皇帝に戻さないといけないわけです…
つまりリーフレッドには、ヴァルモアが生きていれば二重王国に逆らった場合、ヴァルモアを再び国王につけることも可能なわけです
大いなる牽制ですね
因みに…戦勝国が自国の資産を使って敗戦国の経済を発展させるのはバカらしい、というのは結構ツボった
そいういう意図は作者には全く無いのでしょうが私は…
戦前、台湾は総督府の統治から数十年で税収をあげられるようになり、現地の税収だけで回るようになったそうです
一方、日清戦争後清からの自立を果たした彼の国は、李氏朝鮮政府は自国の政治で財政が破綻、日本に財政上の理由から助けて欲しい、と…
アレ?少し前にもアジアの通貨危機で我が国は助け舟を出しましたよね?…100年前から変わってない?
因みに朝鮮総督府では日本が降伏するまで内地からの予算をつけていたようですね
というのを思い出して、ウケたわけです、確かに戦勝国が敗戦国の面倒を見るのはバカらしいですねw
② 直轄機構
本人も語っていたが、二重王国は成立したものの、国王とはいえ寸土の領土も軍もいないというのは権力が不安定、というのは自覚しているらしい、当然か
で、各国の調整を行う文官は官僚から引き抜き中、軍としては直轄軍として両王国の上位に位置するモノを設立する予定だそうだ
欧州では悪い例になりますが、ナチスドイツ政権下の、国防軍と親衛隊のような形?
そしてその将軍の候補として、サブリナからジークリンデ、今回降伏したディヴァンのヴァルモア、そして今回の主人公ギンブレッド。
…サブリナ独立派の期待のジークリンデがこういう形で取り込まれるのも皮肉ですね~
ジークリンデ本人は自覚していないかも?シャドウ登場時は小娘(生娘)だったしねぇ
<'12/6/17>
3.二重王国周辺を含む情勢
ハーレムシリーズは1巻完結の史記のような紀伝体(とはいってもその人物の一時期だけですが)なのでシリーズはどんどん出し続けることが出来ます
これは作者の意図や展開の方針、そして商売上から来てるんでしょうが、そこから紡ぎ出される大陸の歴史は、どうしても微妙な齟齬が出来て来てしまいます
今回もストライカーという事でセリューン直轄の指揮官としてギンブレットが、ディヴァンからヴァルモアが加わる。
これでジェネシス世代まで語られていた二重王国の戦略に対する考え方も変わるからだ。
例えばシャドウで語られていたペルセポネの内紛工作、シャリエラが担っていた、という事からペルセポネ戦線はサブリナ女王の管轄、という事なのでしょう
すると、百日戦争まで、この二人はどの方面を任されていたのか?という疑問が出て来ますね セリューンの直轄軍として直営で本陣を形成していたのかも知れませんが
① 時系列
少し、整理する為に纏めていきます
セリューン 22歳 『女王汚辱 鬼骨の軍師』 リュミネー河畔の戦い 和睦
23歳 二重王国成立 反二重王国同盟結成
両国貴族の婚姻政策による融和を始める『ハーレムミストレス』
ユージン領主エレンツォ、お付きの女騎士レインと共に出奔
ヴァスラ王国、梟雄ジェレミイの内乱?或いは翌年か?
24歳 二重王国:『ハーレムストライカー』 ディヴァン戦役
ディヴァン傀儡化
25歳 イシュタール王国:『ハーレムキャッスル』・『ハーレムキャッス
ル2』・『ハーレムシスター』・『ハーレムキャッスル3』・『ハ
ーレムキャッスル4』 『ハーレムキャッスル The Beautiful
Days 外伝』
イシュタ-ル王国、ローゲンハイド崩御、女王グロリアーナ即位、庶
子フィリックス立太子
王弟ヒルメデスクーデター失敗、ヒルクルスのみ国外逃亡
周囲四か国(含国内貴族も)の花嫁競争
ペルセポネ国境紛争
ダリシン王国 カスピアン即位 クーデター未遂
26歳 メリシャント王国 ドモスの浸食始まる 『ハーレムシスター2』
28歳 インフェルミナ王国:ドモスによる征服⇒カリバーン奪回(レナス派
・ヴァスラ・インフェルミナ) 『ハーレムクライシス』
メリシャント王国:ドモスに臣従するもセリューン主導によルクーデ
ターにり王家断絶、その後メリシャント政権はドモスにより虐殺され
る
百日戦争初のドモスVS二重王国の大決戦⇒イシュタール王太子フィリ
ックスによる講和斡旋 『大空の調停者』
エトルリア王国:第4皇子リカルドによるクーデター、反二重王国同
盟から脱退、二重王国と同盟締結 『ハーレムシャドウ』
ペルセポネ王国:シャリエラによる内紛工作により内紛⇒イシュター
ルからの養子縁組にて和睦
↓ ↓ ↓
38歳 属領地ヴィーブル:二重王国、ジークリンデ(カルシド)によるヴィ
ーヴル侵攻 『ハーレムウェディング』
ダルニケスの娘シャーリー、二重王国を出奔しヴィーヴルのバタフラ
イ家に仕える 『ハーレムサーヴァント』
と、いった処でしょうか ヴィーブルが属領地というのはドモスは総督を置いて統治していて、もはや王国とは呼べないと思うからです その意味では、最大の土地であり正妃アンサンドラの故郷も、属領地クラナリア、だと思います
もし抜けている、二重王国に関することがあればご指摘ください
ミストレスは国内のお話しなので対外描写が少なく、イマイチ情報としては…
② 反二重王国同盟
時系列を見ても比較的順調ですね 二重王国から見れば反二重王国同盟に対抗しただけだ、とも主張は出来ますが、明らかに攻勢に出ていますね
元々一国では対抗出来ないヴァスラは内紛状態、一国で防衛は出来そうな(1万の動員兵力はデカいでしょう)ディヴァンは1年目にして敗退しています
メリシャントは弱腰だし、今までの記述からすると、この反同盟の主力はエトルリアとペルセポネ、という事ではないでしょうか
とはいえ盟主的立場もおらず、全体としての戦略を考える者もいないっぽいので、セリューンに対抗しきれていないのでしょう
統一した指揮系統というのは大切なわけです…
パイレーツで、エトルリアの主役はリカルド、なので反二重王国の王族である、父や兄の登場は無いでしょうね
ペルセポネはそう考えると二重王国に4年も対抗していたことになりますね 1国だけで(エトルリアと強力連携しているという描写はパイレーツには無かったので)やっていたとしたら凄い国力か、敵愾心があるとしか…
やはりダスタール旧王族や重臣が亡命しているとか、或いはサブリナと先代からの因縁か係争地があるとしか…
もしくは、この速いデヴァン攻略に恐れを抱き、モンテナルモがペルセポネが硬く組んだ、という事も考えられますね
個人的にはイシュタールには頑張って欲しいので、ペルセポネ=モンテナルモがあるなら、西方諸侯同盟に加わり易いとは思いますし
オニールは…対抗するには結果的にはレナスと組んでないと難しいでしょうね、エトルリアは反二重王国同盟からは離脱するわけですし
<'12/7/18>
③ ペルセポネ
反二重王国同盟が出来て4~5年も対抗出来ていたということは、かなり国力の多くを傾けていたと推察されます或いは、この国のイメージらしくは無いですが、モンテナルモと語らって、対向していたのかも…
とはいえ、イシュタールにコーネリアを送り込んではいたので、外交戦略が皆無、ということは無いでしょう
もう既に『ミストレス』の段階でサブリナのシャリエラが担当で監視をしているという記述がありますし、また『シャドウ』での内紛工作による国内不和、というのもメリシャント方面に恐らく国の戦力の大部分を割いている以上の苦肉の策でしょう、やはり敗戦計を施すべき状況、と言えるのでは、と。
そう考えると、何事にも好戦的なこの国が、実際侵攻したのはセリューンが23~27歳の頃ではないかと考えられますが…
もしくはそれなりな才能の将軍や指揮官、或いは王族がいるとかじゃないと、ですね
古代ギリシャのスパルタ、のように兵の質が高いというのもありますけど、セリューンのような軍略家がいるのに長期対抗するには、それなりの戦術家がいないと無理な気がしますね
もっとも今の処大陸一の軍師?に対抗できる人材がいる、というのも作者的には考えるの面倒くさいのかもですけども。
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