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考察:現実分析 2.4
ハーレムダイナスト 新・黄金竜を従えた王国 下巻 (二次元ドリーム文庫 177)
(2011/01/31)
竹内けん
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エッチには萎えさせられましたが、資料という意味では後の設定を盛り込める分、詳しくなっていますね
そこで考えさせられたのはクラナリアの国民性とか愛国心についてでした
1. カーリング攻防戦・陥落後
① クラナリア国民
コールラル平原の敗戦後も各地で都市や砦に篭り抵抗の意志を示したが、高山都市ラムリアーズの降参や、王都カーリングの攻城戦が短期で終結したことでアンサンドラの名の下に各地に降伏の命が届くことで収束の方向へ向かうだろうが…
ラストでアンサンドラの要請にルーシーはともかく、バージニアも協力するという事で、心情的に国民の好意をより受けていると考えられるバージニアが降伏を勧めれば早まるだろう
高山都市ラムリアーズの自己保身の心理からの降伏や、勝馬に乗ろうとする傭兵や降伏した都市からの兵で4万にも膨れ上がったというが、先生はクラナリアの余力を語っていたけれども、寧ろ古代王朝が終わってからの豊かだが支配はし易いエジプトを思い起こさせますね
クレオパトラの敗北で古代王朝が滅びてから周囲を征服するような王朝はそんなにない、 アイユーヴ朝とかマムルーク朝はありましたが
第2次ポエニ戦争で前半戦6ヶ軍団3万近い兵力を失ったローマ連合ですが、戦略が決まり20ヶ軍団16万を使っていた
因みにローマ連合の総動員兵力は75万、内ハンニバルに靡いた地域の動員兵力が15万、実に三分の一を動員していたので、クラナリアのアンサンドラに答えた兵力が3万近いと多めに仮定しても、コールラルで失った3万に、バージニアの下カーリングに篭城した兵力が1~2万でこの戦役に参加したクラナリアの兵力が8万くらいで20万という総動員兵力の三分の一を越えるのか…
この動員数と、バージニアの取った焦土作戦からクラナリアは疲弊したのは疑い無いですね
一方でドモス兵とシュルビー・セレストは生産に寄与せず、略奪が主産業なので、戦を仕掛けるしかない、というのは変わり無いでしょう
文庫版ではミミの主導する翌年のシュルビーでの大規な反乱は記述が無いようですが…
クラナリアの統治が固まらず、大きくなったドモス国内での反乱と聞けば、戦好きのエクスターのハウバルが仕掛けて来る可能性大ですね、まあ、ハウバルの野望は果たせず滅ぼされちゃうわけですが
次々とアンサンドラの名の下に降る様を見ていて、石原都知事の与謝野氏の民主党大臣就任に対して批判した言葉の「日本人は忠臣蔵好きでしょう」を思い出して少しなんだかなぁ、と感じました
“マーベラスエンタテイメント!!!”さんも書いておられましたが、降ったヘリオードよりもトレパンの方が印象に残った、というように、節を曲げないとか忠義を尽くす、に日本人は行動に美を見出だすんだと思うのですよね
自分がそのように生きれるかとかはともかく、有名人や物語の登場人物にはそうあって欲しい、と
戦前には修身の教科書に載っていたという山中鹿之介や楠木正行(まさつら)なんかとか今でも日本人の胸を打つんだとかね
日本人は島国という環境から希薄になって鈍感なのかもしれませんが、人間にはアイディンティーが大切というか拠り所だと思うのですよ
社会不安になったり国家が崩壊した状態では民族主義や宗教原理主義が台頭するじゃないですか
それはやはり、国が無くなったら、自分達は何者なのか?と自答せざるを得ないからだと思うんですよ
事実、東西冷戦終結後の欧州社会主義国家の崩壊と民族対立やアフリカ・中東の民族対立や宗教対立を見れば明らかですよね
アンサンドラは夫の夢に協力したい、その為にクラナリアの力を使いたい、と言っていたが、それは果たして国民の賛同を得られるものなのか?と疑念を抱きますね
ましてや百日戦争まで、いや、その講和後もドモスの生産地として収穫と兵役を負担させられるので
<’11/2/17>
最近のチュニジアから始まった中東のデモと政府・政権の瓦解を見るに、独裁政権に対する民衆の不満と怒りの爆発は侮れないエネルギーだと改めて感じますね
いずれも強権で長期政権だったわけですが…比較的国民が豊かであるといわれたリビアや、ムサビ氏ら改革派を一度は抑えたアフマディネジャドのイランでまで広がっています
ドモスでも、大陸統一とかいう民衆にはあまり興味の湧かない目的の為に家族の血が流され、税を持っていかれることに不満が爆発すると思うのですが…
しかも、キャラバンで見るように千単位の隊商を襲う野盗がいたり、ミミなどの反ドモスゲリラを思い浮かべたりと、治安は良くなっていないわけで、ジェネシスの時代になっても民衆は不安な生活を送っているわけですから
民衆の蜂起や革命の可能性、旧王国のロレントの種の王子の割拠化など不安要因はあると思うので
しかし、アメリカは民衆のデモクラシーを支持する、と言ってるけど、2・3年して各国の選挙を経てイスラム原理主義政権が次々と誕生したらどうするのだろう(笑)
② 人物主観 2
ⅰ> ルーシー
やっぱり姫さま大事でしたね
まあ、ミミと関係したことで兄のレギンズがルーシーに懸想していたことが判明するわけですが
私的には、父アルバレと義母未満のカモミールがあの世で彼女を如何見てるのか…まあ、だからこそアンサンドラに忠義を尽くすのでしょう
ミミに頼んだシュルビーでの大規模反乱工作が彼女の反ドモスのヒロインとして伝説化するのは歴史の皮肉ですな
ラストのエロシーンで、姫様となら男とのセックスに目覚めハマりそうですね
キャラバンが出ているので、レギンスと結婚してオルフィオが生まれるのは確定ですが。
実は密かにロレントが認知していない男子を生んでいるかも??
とはいえロレントのエロシーンは私はどうでもいいことですけどね
ⅱ> バージニア
妹の夢に協力して、と頼まれたことで「しょうがないわね、修羅の道にかわいい妹一人で向かわせられないわ」と受ける彼女
アンサンドラに配慮してカルナップの求婚をひとまず時期尚早と棚上げにするようだが
妹に協力する、ということで楽しみにしていた熟女対決はないかな、と
まあ、新鉢を口レントに割られて、「これからも誠心誠意、陛下のために努める所存」といったマディアもアリオーンに走ったので例が無い訳ではないが…
ドモスもバージニアの魔法軍団は大陸全体を見渡しても同等なのはラルフィントのトード魔法学校くらいか、という評価なのでロレントやアンサンドラが手放さないかな
残念、残念…
ロレントに婚約者は殺されるわ、姉妹丼は喰われるわで散々な彼女なんで幸せになって欲しいですが…
魔法が恋人、でも構わないんですが、ちょっと寂しいかな、と思うのですよ
私は気に入っているヒロインの一人ですね
ジョジョ第5部のナランチャが、ブチャラティのためならムクムク勇気が湧いて来る、という表現がありましたが、私は、グロリアーナとバージニア(フィリックスとの)との3Pを妄想すると、ムクムクと鎌首が擡げて来る、ので(笑)
ⅲ> ウルダルグ
トレパンにその行動の美を見出だしたのでやはり彼の忠義は光る
彼の一門や老将ゾーラルの一門や宰相スチュアートの一門には反ドモスの頭として活躍して欲しいなぁ
ⅳ> ロレント
個人的にはアンサンドラが、目の前で“陛下は世界制服の野望はあっても、その後の展望はないお方です。それをわたくしが埋めたい。今は無敵に思える陛下だって必ず老いる。世代交代のときは必ず来ます。その後継者はわたくしが必ず産みます”と言った事から彼の才能は軍事に限った事と指摘したこと、身も蓋も無い言い方をする、とロレント本人も否定しなかったことから九割方正しいということでしょう
他の部分もありますが、私が記述して作品を読んで考察がそう外れていないという証左という事でその意味では喜ぶべきかなぁ、と
やはりロレントが君主である限りどれ程国を併合しようと軍閥や軍事政権の域を出ないでしょうね
略奪が産業という軍の体質も変わらないのではないだろうか
アンサンドラのセリフはロレント後ジェネシス以降の後継者争いに勝ってから初めて実行可能になりそうです
ドミニクを下賜する際にも、容色の衰えるであろう彼女をまだ美しいうちに慕ってくれる男と娶わせたほうが幸せ、と考えての事のようですが、彼女の立場に立って考えないという意味で独善的だし、人の心を分かってない、という事でしょう
新書版の陵辱作品の悪役ならば、ドミニクの思慕を分かった上で踏みにじる、精神的な責めを下していれば、それはそれで見直しますが、文庫本になったエロラノベの世界とプレイじゃないですね(笑)
軍事だけの才能で天下が取れるほど甘くはない、というのが歴史が好きで本(史実や虚構)を見て来た私の感想です
ⅴ> アンサンドラ
一応、祖国の惨状を見て、自分と夫の覇道の道の現実を自覚して決意したシーンは少し見直しました
だからといって好きになれるか、というと別な問題です
贖罪から始まるという彼女の決意は確たるものでしょうが、被害を被った国民から見ればどうでしょうね
最近よく報道されるようになった、殺人犯の謝罪や反省を被害者遺族が受け入れるというのは少ないケースじゃないでしょうかね
それに彼女の夫による覇道の末の平和を作り上げるという贖罪ですが、彼女とドモスの人(彼らにとっては生業である略奪はなんら恥じることじゃないから、贖罪する必要も感じないかも)にしか通じない理屈ですよね
やはり自己満足な道だと感じました
更に贖罪という後ろ向きな気持ちは、えてして彼女が行う政策を“こうすることが罪滅ぼしになる”・“このように持っていくことこそが最善だ”という一種の思考硬直に、もしくは独善的になる可能性を秘めていると思うのですよ
…しかし、彼女はよく“策源”なんて言葉知ってたな…確かこの言葉、近代軍事研究から生まれた言葉だったと記憶していますが。
ダイナスト、はハーレムシリーズとしてはロレントが主人公ですが、お話の主人公は彼女かと思います
そう考えると、息子のアレックスが乳母日傘で、女の時代のクラナリア、という感じで納得ですね
旧新書版を読んでロレントは倒したい敵、と認識しましたが、その覇道に協力するアンサンドラも滅ぼす為に策を考えるやる気と意欲を湧かせる、敵に思えます(笑)
ⅵ>ミミ
旧新書版のラストにあった、彼女が引き起こす翌年のシュルビーの大規模反乱の記述が無かったので、前作と比べて一番割を食った感じですね
このシュルビーの大反乱に関してハーレムシリーズで…ハーレムシリーズは男が主人公だしなぁ…
〈’11/2/14〉
③ クラナリア派の権力掌握
アンサンドラの宣言通り、彼女と息子アレックスの後継者としての権力掌握過程を考えてみるに…
ドモス軍部と本国の民の圧倒的な人気のロシェに対抗するには…やはり集団を纏める常套手段、敵を作り上げそれを討つ形が良さげ?
そうすると一つ思い浮かぶのが元亡命王子こと“ヒルクルス”
彼が、ロレントが数百の供しか居ない時に数千の手勢で襲撃する“本能寺の変”タイプの謀反を!(爆)
…いや、今やってる大河ドラマの影響を受けた訳では…(笑)
例えばフランギースなどは、彼の叛心を見抜いているようですし、豊臣政権下の石田三成よろしく元亡命王子に辛く当たることは考えられます
フレイアを召し上げ、まだ敵国を与えるとか…まあ色々あるでしょう、嫌がらせとしては
私的には、(嫌いな)ロレントが消え、その仇として元亡命王子が屍を晒し、仇を討ったクラナリア派のアンサンドラとアレックスが秀吉よろしくドモスの権力を掌握出来る、一石三X蝶(これを使うのは武装錬金のパピヨンか 笑)→〇鳥のような気がします(笑)
これの難点は、ウェデイングでヴィーヴルの危機にロレントの親衛兵が駆け付けた事から、天正末期の織田家のように万単位の軍勢を複数組織し方面軍を組織出来るような戦況ではなく、また適当な部将も居ないのではなかろうか
そうすると各方面に部隊が散って、ロレントの周りの供が寂しい…というのはまず無いですかねぇ…
もう一つは、二重王国との決戦時に裏切る、“関が原の小早川秀秋”タイプの謀反
こちらもやられたら洒落にならないとは思いますが…難点はロレントを討てるかは不確定な事と、アレックスよりロシェの方がこの戦場に居る可能性が高いので、殿とかで目覚しい働きを見せれば、寧ろ彼の声望を高めかねない、二点でしょうか
もっともこの場合は対二重王国戦線には士気も上がり、国家の目標として、また率先して討つべきドモス全国民の共通目標として再認識されるでしょう
外様の危険分子を供犠にしてドモスが纏まるならフランギースも、クラナリア派もドモス本国派も許容出来る方策じゃないかと思いますが…