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考察:現状分析 2.2
ハーレムジェネシス (二次元ドリーム文庫 164)
(2010/08/12)
竹内けん
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<'10/8/10>
今回はキャッスルバリにキャラも多く、神保玉蘭先生の絵も良く、満足出来る…筈ですが、何かモヤモヤ
それは、私がドモスを嫌いだからで、彼の国が進展して行くのは何か気分的に面白くないんですよね
それに、百日戦争から十年経っているのにキャッスルのイシュタールには全く触れられていない所とか
キャッスルもなかなか出ないし、今年は私的にはハーレムシリーズは実入りの無い年なのかも、旱魃のロシアの小麦のよう…
愚痴はこれ位で
1. 情勢
時は百日戦争から十年後、ウェディングの後で、アレックスが初陣のフレイア戦役を前にしたところから始まる
フレイアにヒルクルスが劫略を仕掛けて十年、フルセンからの進攻と併せて闘争に明け暮れ、どうやら内紛が起こるまでに国が崩れて来たらしい
やはり(予想に書いた通り)、ナジャの息子のロシェはドモス本国民やドモス軍(ドモス人の)に絶大な人気であり、後継者として目されている一人だという
しかし今の大きくなったドモスの経済力を支えているのはクラナリアであり、王妃であるアンサンドラの息子ゆえに王太子とされている
このドモスにはアレックス派とロシェ派という支持層が形成されているようで、クラナリア派というべきアンサンドラが中心となり、威信を賭けてフレイア攻略戦を息子の初陣にし、戦勝で飾りたい、と
<'10/8/11>
2. 新世代の経済
フレイアを攻略した事でようやく『キャラバン』で描かれた、交易による財政改革、を資本(元手)を手に入れたことになります
ラノベな所為もあるでしょうし、アレックス(フランギース)の視点から描かれているので、カーリング陥落後の略奪と焦土戦術からの復興についてはありませんでしたが(私としては残念です)、誰でも買わざるを得ない資源を手に入れたことで黒字とはいかなくとも戦費の財源を確保したことになりますね
フレイアの総督にヒルクルスが就任することになればリュシアンに話した王になるべきだ、的勧誘は反故にされたことになります
十年経っているわけですが
それと仮に独立の野心を持っているとすれば挙兵の為の軍資金を得るように、私服を肥やし、独自の商人のルートも密かに握る必要もありますね
ドモスは現在のロシアや資源新興国のような形で発展するきっかけを得たわけです
が、徳川幕府の政策を見ると、有力な金山・銀山は幕府が直轄して奉行を置いていたことを考えれば、総督になるヒルクルスに魔法の触媒鉱山の経営を一手に任せるのは、本編にあった他所者意識からも財政政策上からも無いんじゃないかと思いますが…
<'10/8/20>
考えてみれば次号からマガジンにはハーレムシリーズないんですよね…
交易やそれによる情勢の影響は改めて項目を作ろうかとも思いましたが…大きな括りでの経済なので
フレイア産出の魔法触媒はドモスの直轄にしろ、経営を総督に任せるにしろ(ドル箱全て新参者に任せるとは考え難いので可能性は低いと思います)、販売しなければ財政は潤わない
何を当たり前な事を、と思われるかもですが、ドモスが財政を良くしようと魔法の触媒を活用するにはこれを販売し貨幣を得なければならないのです
まさかドモス経済が魔法の触媒を通貨代わりに回るようになる、とは思わない、でしょう
そして、これを大きくなったドモスの中だけで流通させる、禁輸政策を採れば戦略的に優位と考えるかもですが、経済的には支配国の経済が成長しない以上、結果的に被支配国から搾り取ることになり、結局は経済が後退することになりかねません
ドモスがジェネシスで勝利を収めたとしても、領域内のゲリラや反乱勢力は平定されておらず、寧ろ禁輸は密輸という資金源を彼等に与えることになるだろう
また、私自身前にこの資源を化石燃料に比喩しましたが、現在の産油国ではガソリンがリッター30円台、日本では今130円台?と値段の差があるとはいえ誰でも化石燃料が買えるものになっている情勢と、ハーレム世界は同じではないと考えられます
つまり現在の石油産出量と消費量に示されるように、必要不可欠、ではなく(本編でも魔法宝珠は高価である、とありますし何よりディスティニーで風呂を沸かすのに薪割をしてます 現代なら電気にしろガスにしろ何らかの化石燃料を元にしたエネルギーを庶民が使っていますよね?)生活レベルや普及の度合いから考えて、“必要ではあるが、不可欠ではない、と考えられます”
つまりガソリンエンジンの自動車が生産され始めた20世紀初頭の自動車やガソリンの社会的な地位がハーレム世界での魔法宝珠と触媒の位置に当たるのではないだろうか
それ故に、オルフィオの交易を財源にする財政改革を軌道に乗せる為にも、外貨獲得がその経済政策の主眼となるわけで、敵国の二重王国へはともかく、西方諸国やラルフィントなど迄に輸出を制限するだろうか?
他方、敵国へ魔法の触媒など売るな、と経済を分かっていなさそうなドモス派とクラナリア派の対立軸の一つにも成り得るでしょう
こう考えていくと、シェルファニールがイシュタール連合からフレイア占領による影響から離脱する、などというのは可能性は極めて低い
何故ならシェルファニールの貿易形態はいわゆる中継貿易、であると考えられるが、フレイアーシェルファニールー二重王国・ラルフィントという一本線の交易だけではない
確かに魔法の触媒の交易を無くされれば痛手ではあるが、自国で木綿と胡麻という産品があり、また交易国も西方諸国を始め二重王国・ラルフィントや翡翠海沿岸諸国とまだまだあるのでその穴埋めを補填は可能だろう
ましてやパウロの重商主義は、国防を最低限の出費に抑え、経済を発展させる政策なのに、ドモス陣営に参入と明言して、イシュタールと他の周辺国に侵攻されたらどうするのか?
頼みのドモス軍は地図を見る限り救援には間に合わなさそうなんですが…
侵攻されなくても、刈田狼藉等の嫌がらせの紛争でも、中継貿易国には痛手なんだけど
普通戦略は自分のやりたいことと、それに対する相手のリアクション迄は考えないと成り立たないと思うのですが…
3. 地誌
1) ナウシアカ王国
ドモス北西、ターラキア山脈を越えた地にある雪国で、代々女王が治めている国
自ら臣従を望んで属国になったという
女王の方針にナショナリズムの高揚による過激な反ドモス運動は表面化しなかったのか、メリシャントとは違う運命を辿ったようだ
百人以上の有力子弟の人質を出してはいますが
2) ニーデンベルグ王国
二重王国と同盟し西部でドモスと戦っている国
しかし、フレイア戦役では東に離れているのと、一国でドモスと事を構える程の国力(とはいっても5万を動員出来る兵に対抗するには2・3万は…)はないらしい
兄貴分の二重王国もヴィーヴル攻略に失敗していて兵を動かす気配はなかったようだ
3) クラナリアの宗教
鳳凰神社というらしい
クラナリア王族の菩提社にもなっていて、クラナリア国民には馴染みの神社だという
ハーレム世界には我々の世界のように人の生き方を決める一神教はないけれども、民族と;か文化の柱の一つとなるものなので、大国というクラナリアに土着の信仰は有る筈、という私の疑問には解答が得られました
<'10/8/12>
下の発売前のロレント後の記事を読み返してみて、私の予想は大筋で間違ってはいなかった、と思えて慰められました(苦笑)
魔法の触媒の産地フレイアを手に入れた意義を感じて少しへこみましたが
4. ドモスの新世代
1) ドモスの文官
予想通りアンサンドラとクラナリアが中心でしたね
アレックスの乳母のフランギースからして、早々に降伏した財務大臣のメイドリーの娘
次席のグラヴィアはセレスト出身の貴族、と早くに征服された国も取り込まれているようです
勿論、オルフィオやその父レギンスも含まれるでしょう
クラナリア派とドモス派ですが、フランギースのヒルクルスに対する威気高々なやり方は、秀吉の文官の長、石田三成を彷彿させますね
彼女自身はアレックスに来る悪感情を自分が盾になれれば本望でしょうが、その事でドモス軍部や外様を反対派閥へ追いやってしまえば分裂の危機を生み出すことになるでしょう
別に亡命元王子に同情したわけじゃない(笑)
それにしても彼は公衆の面前で女に侮辱される星にありますなぁ
2) 新世代の武官
ドモス本国人の武官と区別するために分けました
本編でも、ドモス本国という言葉で被征服国を含めたドモスと分ける言葉を使っていますし、出来れは議論を展開するのに分かり易い単語で定義付けした方が良いので
定義つけしても論旨がハッキリしないと意味ないんですけどね、文章で(笑)
アレックスの直属という人材がやはり多く出ていますね
親衛隊隊長のスペンサー、フランギースの弟です
マデリーンの一族のマチルダ→マンセルな訳ですが、そういえばハーレム世界には苗字や姓が出ないですね
護衛武官のエクレール、アルメイダの孫娘だというからドモス本国人か
<'10/8/15>
コミケでは評論はエロとは比べものにならないジャンルですが(失礼です、申し訳ない、しかし客の入りは明白なので)、やはりハーレムシリーズは短編で絵師がバラバラなのと、未だ確定していない世界設定、そして商業誌の中でも数百万部の雑誌(週刊少年ジ〇ンプとか)の作品のパロと比べれば人の目を引きにくい、といい商売上の問題などあり見つけられませんでした
エロ同人にはエロ同人の熾烈な人気の興亡が有るようですけど
ま、百万単位の売上のサークルさんが百万切ったら死活問題でしょうしねぇ
他のフレイア戦役に参戦したドモス軍の将軍は、アレックスの派閥というよりは寧ろロレントの股肱でしょう
ナウシアカのジルヴァ将軍は微妙ですな…
彼の忠誠は現女王、でしょうし
軍監のニースケンス、も微妙ですが…大きなクラナリア派という意味ではアレックス派か
3) 王太子アレックス
他に公式に三人の兄が居るという…ケンシロウ?(笑)
政治的に力のある実母アンサンドラ、彼女が着けた乳母フランギース、乳母日傘、状態は彼ではないかと
今回のフレイア戦役はロレントの言葉から始まったモノだが、現に差配して準備万端整えたのは母アンサンドラである事は疑い無いだろう
年齢もキャッスル時代のフィリックスと変わらないかもしれないが、クーデターによる国の人材の損失という国難に遭って、自分自身の政治によって国を良くしよう、という明確な意志を持っている、という決定的な違いがある
もっとも、アレックスの場合にはクラナリアの王宮に居て過不足など感じたことはないだろうけど
ロレント死後の骨肉の争いなどあれば、また変わる可能性も有るが、今のままだと母アンサンドラが相続争いも決着を着けてくれそうだし…
5. フレイア総督府
アレックスが進言すればヒルクルスが総督に就任するのは難しいことではないだろう
しかし、その権限は、クラナリアを治めるアンサンドラやヴィーブルのティファーヌの例を見ても旧王族ではなく、統治の象徴の意義は持たない訳だし、被支配を受ける国民も納得しないだろうし
また、大陸でも有数の魔術の触媒の産地で有ることから、ドモスの直轄にするのは妥当というか当然ではなかろうか
つまり、民政と防衛が総督の任務であり、創業社長と雇われ社長の違い、と言えば分かり易いだろうか
つまり、すげ替えようと思えば他に適任者を選ぶ、という地位である、ということだ
そして黄金竜以来人材が豊富とされる大きくなったドモスならその手の人材は多いだろう、名前の出ないキャラの中に
寧ろここを得たことで、脅威に感じる二重王国陣営からすれば、フルセンに積極的に支援して山賊活動に専念してもらおうとするだろう
仮にフルセンがフレイアを征服しても、当面は“二重王国”が気に病むことはないだろうから
また、十年この地で地道に戦ってきた、ということは、裏を返せばドモス(特にドモスの宿将達や新しい士官たちと)の同僚や上司との人脈を形成するという事が出来ない訳で、ドモスの軍に対する亡命元王子の影響力は少ないと見るべきだろう
前に書いた、ジューザスがドモスに亡命して各地を十年転戦していたとすると、ドモスの将軍は彼の人となりや能力を知っている訳だし、馬が合う人物もいるだろう
ましてや番頭格のファルビンが居ればその辺の人脈形成にも抜かり無いだろうから
ヒルクルスが人脈を形成しようとして触媒の利益から贈り物などの攻勢を掛ければ、彼の忠誠について疑念を抱いているフランギースの配下の密偵に嗅ぎ付けられ、処断を受ける可能性すらある
っていうか、僅か数ヶ月一緒に仕事しただけで、その野心を警戒されるなんて、お前ドンだけギラギラしてんだよ、って感じてす(笑)
三国志で有名な、劉備の農民のような生活や雷を怖がったりといった本心を隠す事は出来ないらしい
腹芸が出来ない君主って…アカンような
二重王国やイシュタール連合とも利害が一致するので、支援を受けたフルセンの劫略から、度重なる侵略に彼はフルセンから動けなくなってしまうかも
6. フルセン
文字通りドモスに油揚げをさらわれた形になったエルフィン
内心かなりの憤りと苛立ちを覚えているのではないだろうか
ましてやジェネラルでは股肱のロックスを失ってる訳だし、十年の間にかなりの投資をしていったことだろうから
レジスタンスからドモスに抗戦していく事は間違いないだろう
<'10/8/25>
二次元ドリームマガジンには、ジェネラルの絵師のかん奈先生のインタビューが載っています
何とリメイク版のファイヤーエムブレムをやりたいとか
今やってますが…闘技場で欲張るとなかなか進めません(笑)
元々キャラが死ぬと復活は無いので、それと同じクラシックモードでやってます
賞金が高い相手は職業上はマックス値でも速さが上回ると平気で向こうが二回殴って来るとか(笑)
フルセンがドモスと国境を接したことで、レジスタンス巻末のドモスと敢然と戦う列強の一つ、にはなれることになります
ジェネシスのフレイア戦役では全く記述はなかったですが、五万を相手にすることはできなかったのでしょう
ドモスもこの五万のフレイアでの戦闘期間を区切っていたことから、ギリギリの線で兵力を捻出したのだろうから、これ以降はエルフィンが五万という戦力と対峙する、という可能性は少ないと思われます
後はエルフィンが十年でどこまで国をまとめ立て直したか…によるのでしょう
7. 二重王国
ジェネシスにもやはりあまり記述はありませんでしたが…
忍者を用いた情報戦を得意とする国なので、一つの可能性としては十年の間に大きくなったドモス国内にスパイのネットワークを形勢し終わった、かも
忍者というと忍び装束を来て闇夜に暗躍する、イメージですが、実際にはある土地に住み着き普通の市民として暮らしながら情報を集め伝達するネットワーク、“草”と呼ばれる人達によって情報活動が支えられていました
近代のように新聞やラジオなどのマスコミの無い時代、情報は人からか文書からか得るしか無いからです
まあ、つい最近でも市民として暮らしながらスパイ活動をするロシアのエージェントが検挙され、合衆国とロシアの間でスパイの交換が成されましたね
二重王国がドモスを敵国と認識し、十年もの時間があれば、スパイ網はキチンと形成され、様々な工作を担っているでしょう
シャドウが出ているので、再び忍者が主人公の作品が出るかは分かりませんが
ウェディングでのヴィーヴル攻めのヴァスラ・インフェルミナ・ネフティスという陣営の形成、ジェネシスでのメリシャント方面でのニーデンベルグを陣営に加えていることなど、ドモスの併合政策を題目にしての同盟陣営の形成には成功しているようです
更にアレックス(クラナリア)派とロシェ(ドモス)派という派閥争いの萌芽が形成させる事を察知すれば、対立を煽る工作を展開するのは火を見るより明らかかと
唯登詩樹先生のコミックです
(2010/08/10)
唯 登詩樹
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エロでのデビューくらいから知ってる作家さんで、昔は不思議なお話しとエロさに好きな作家さんでした
メジャー誌に行ってストーリーモノを描いておられますが、私はエロが読みたいですね