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イシュタールの政戦略1
(2005/05)
竹内 けんHiviki N
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此処では気に入っているイシュタール王国のフィリックスとその軍師が二大強国のドモスとオルシーニ・サブリナ二重王国の脅威に対抗するにはを考察したものです
この二国の王とスタッフの現状や思考についての描写が無い為、キャラバン・クライシス・シャドウなどの記述を参考にしていく
1.現状分析
キャッスル3の時点でも、クライシスによる百日戦争との時系列は明確ではない
仮に数年あるとして考察する
①ドモス王国
こちらの影響は多大なモノで、無敗との評判の彼の王国の敗北は、征服した領域での旧王国の反ドモスの動きを活性化させ、領国の動揺の対応の為に講和を結ばなければならなかった事で明白で
これを平定して、再び南下を目指すまでに数年掛かるかも知れない(未定だが)
軍事的にも、出兵した二割を失い、副将というべきクブタイとバティステュータを失ったのは大きな痛手であろう
名将であるハンニバルやカエサルの例を見ても自軍の中核となるベテランを二割失ったのなら、己の構想する戦術を十全に行使し得ないし、再建には最低でも2・3年はみないと
更にキャラバンの記述から国家の財源を隊商から来る商業的利益に切り替える割合が高い程、領国の動揺による通商の不完全機能は財政的にも打撃は大きくなるであろう
国家としての財源と考えた場合、塩野七生先生の『海の都の物語』の記述から、天才的な商才の個人が機を得て獲得する独占のようなジェノヴァのやり方より、護衛船団方式の国家事業としてのヴェネツィアの方がより望ましいのではないかと考えるから
寧ろモデルと思しきモンゴルのような遊牧民であれば略奪も立派な生活手段なので経済的な打撃も(ドモスの戦士階層には)少なかったと思われる
まあ、百日戦争でのロレントにとっての屈辱は、連合の形成の過程を見ても首魁はセリューンであり、彼を討ち取れば連合は瓦解する、と見抜いているかも
と、すると益々二重王国に直接入れるラルフィントは戦略上の重要地点か…
②オルシーニ・サブリナ二重王国
こちらもインフェルミナ方面でドモスを敗走させ、メリシャントからも退かせたという勝利の将という名声は得たにせよ、領土や賠償金を勝ち得たわけでもなく、こちらも二割の損害を受けている事から、戦死した騎士や活躍した者達に補償(中世では無くてもおかしくはないが、知将セリューンが支払わない事の不利益を理解せぬ訳はないような)や恩賞を与えねばならず、財政的に負担になる筈
犠牲を出した騎士達が恩賞の土地を下賜される為にも寸土も得なかった事は批判の対象になりそうで
そういった不満は、サブリナ分離独立派の成立や勢力拡大に繋がる筈
知将セリューンから独立を勝ち取るのは至難の業でも、ジークリンデが意図的に真偽を取り混ぜた情報(明らかに虚偽の情報なら翻意に気付くので)を提供し国王の判断を鈍らせる方策はあるので
ツヴァイクの追放の名誉回復の為国王に尽くすという可能性もあろうか
勝利の名声を生かして隣国ペルセポネを攻め取る策もあろうが、シャドウの記述から国家の体を成して無くなりつつあるとはいえ攻略には成功しておらず、イシュタールからの養子の要請もこの推測(ペルセポネの感情として、二重王国に屈する気は無く、敵愾心は高いという)なら肯けるような
それより再びドモスの南下に備えるとすれば緩衝国戦略で、インフェルミナとヴァスラ方面、それより西のメリシャントの把握など外交戦略的差配も必要大であるし
インフェルミナとヴァスラにはラルフィントも緩衝国と考え影響力を確保してくる気がするし、また、レナス派の戦勝という名誉に刺激され王弟派や王子派が更に緩衝国としてネフティスやパザンの奪回の為の出兵(ドモスが国乱平定に忙しい時期、通さなければ攻めるよ、との恫喝で)やインフェルミナに出兵・もしくは外交的に影響力を行使してくる可能性も否定出来ない
また、メリシャントは臣下達がクーデターを起こし王族がいないので、シッカリした指導者がいなければ危ういし、緩衝国として機能し得ないので援助の必要があるような
国内や国外にやらなければならない事が山積みで、セリューンも忙しいのではないかという結論に…
2.イシュタール
① 長期の平和
前国王であるフィリックスの父であるローゲンハイドの15年の治世、或いは更にその先代の王から数年、百日戦争迄数年、更にドモスがその南下を再び始めるまで数年…
最大30年くらいの平和な時は人口と経済の順調な拡充を保証しそうです
また、前国王が芸術を愛し文化人を保護した事が推察出来るので学者などプレーンも集まっている可能性があります
大学のような高等教育機関があるとは明記されていませんが、魔法学院があるので存在してもおかしくはないですね
ルネッサンス期のイタリアや後漢の穎川や荊州のような
上手くいけば科学や技術や魔法などで最先端の技術をリードする可能性がありますよね
② 自然災害
小説などの創作物ではご都合主義と考えられ批判される可能性がありますが、史実では大きなウェイトを占めます
地震、長雨/大雨、洪水、干魃、蝗害など
例えば後漢から三国時代にかけて地震や塞外民族の進入はともかく、洪水や蝗害は社会が変わった影響と最近の研究では言われています
孝廉で地方の豪族が官界で権力を握り、自分の耕地を増やしていく事で、漢が行う国家規模の治水が行えず、結果堤防などの脆弱さから洪水の被害が増える
また、蝗の産卵地として砂地や低い草の土地が好まれますが、洪水の跡地や日照りでこの土地が増えれば蝗害も起こりやすくなる
メリシャント地方の不毛化は、洪水の被害や蝗害の発生条件に当てはまり、地形にも因るが蝗害の発生する春から夏にかけては空気は南から北へ流れる傾向にあれば、風に乗って蝗の大群がドモスの農地を蹂躙する事も…
③農業
先生が認めるかは分かりませんが、シャクティが輪栽式や改良穀物式農法を発明して欲しいですね
近代の技術ですがこれにより食料生産が飛躍的に向上し、人口増加を支える事が出来ますし、北のドモスの戦乱で出た流民を受け入れる事も可能になります
生産性の向上は他に投資する利潤を生み、他の産業や農地に投資も…
新農法がいいとは思いますが、それでなくとも森と湖の国、灌漑水路や水力の利用などでも生産性は向上し得ると思います
新農法のもう一つの利点は土地所有者、借地人、賃金労働者という新たな農村の社会形態を生み、保守派のクリームヒルトの当主でもその影響を受けずにはいられないことですね
新農法を要れなければ領地の生産性は他の貴族に劣りますし、要れても社会に新たな中産階級を生み出す…
中産階級は自分達の政治的要求を訴えるだろうが、自分達を生み出した王太子の支持層になる…
④ 殖産興業
最も手始めと考えたのは、エトルリアやフルセンが海賊行為をやるので、豊かな木材資源を生かした船材の輸出で
またこの世界では近代で知られている素材もあるようなので綿織物、帆布の生産も…利益で投資して拡大すればと
職人育成も必要だろうけど、毛織物も綿織物も糸にするのに大量の水が要るわけで
湖の国にはピッタリ
他には北からの流民や職人ギルドに投資して追々…
地下資源についても記述はありませんが…
仮に太古から森林だったとしたら、琥珀の産地である可能性も
ポル・ポト(クメール・ルージュ)が西部に引篭もっても戦えたのは、ジャングルにあるラワン材の密輸と、ルビーの売買が大きかったといいますし(もっともあそこは黄金の三角地帯/ゴールデントライアングル/として麻薬の栽培地でもあったわけですが)
金・銀・銅や宝石、明礬(毛織物で羊毛から油分を抜くのに使ったり)や岩塩でさえも国の産業の根幹に成り得るので
ルネッサンス期のように、鋳鉄や砲金の生産性が向上するとか…
火器(銃や大砲)が無くとも、戦争資材生産や経済には有利に働く筈なので
⑤魔法
魔法が存在する世界では、ファンタジィの世界の冒険者が使うような戦闘の魔法よりも寧ろ生活で使う魔法
の方が発達するような気がするんですよね
私が長年キャンペーンをやっているRQ(ルーンクエストのグローランサという世界だと精霊・神・魔道(一応見えざる神という信仰)の魔法でよく使われるのが豊穣の魔法でしょうし
ハーレムシリーズの記述から、神は信仰していても神は見返りをくれないようなので、研究し計算し高めていく魔道のような魔法なのだと解釈しています
魔法宝珠や、耐熱や明かりの魔法など普及しているようですし、探知の魔法宝珠(直径3mの大きさの物を
半径10kmの範囲で認識する)レーダーのようなものとか、探知と爆発の宝珠を組み合わせたWWⅡで使われたVT信管(電波を発し、反響で近くにいると感知すると炸裂する、対航空機用の信管)の様なものをアーバレストやバリスタの矢に付けるとか、RQのドワーフの様に戦争を科学する(魔法研究ですが)という思考方法もあると思うんですよね
先生はそれ程ハードには拘らないようですが、今のところ
グローランサのように嵐の神のストームワーカーが半径200-300kmの嵐を起こして射撃戦不可・河が渡れない(嵐の神の信徒は不利益を被らない)とか、対する月の帝国はクレーターメーカーが月から隕石を落とす魔法戦争も楽しいんだけど
⑥権力奪取
戦記モノとしてはフィリックスが政治権力を握らないと始まらないわけですが…
現女王の父であるクリームヒルト家の当主は娘、グロリアーナが身罷るまで現状を続ける気でしょうねぇ…
血の繋がらないフィリックスに王冠を与えるより、統治上問題がなければ娘が王冠を被っていた方が都合がいい
当主にとっては別に五十代の王太子でも実権を握り続けられれば問題はないし
ヒルクルスのクーデター未遂事件があったので、フィリックスに兵権を与えるのにも慎重になりそうです、こ
んな所まで祟るか!
かといって外国の姫の実家の兵を頼るのも出来れば避けたい…実権を握っても実家の容喙を認めなけれ
ばなりませんしね
一つの手としてはグロリアーナのフィリックスの子の妊娠でしょうか
グロリアーナ女王で行きたい父としても、娘のスキャンダルを世間に晒して国内の動揺させる訳にも行かないし、大きなお腹の女王を政務に就かせる事は出来ない…
ので、フィリックスが国事行為を…玉璽を押す仕事でしょうが、それでも政治を担う臣下達と顔を合わせ、話す事で国政について解ってくるし、臣下との気脈も通じていくでしょうから
秦の始皇帝でも実権を握るのは8年掛かりましたし…長い目で見ないといけなさそうなので
とはいえ実権を握って自分の政策運営が可能なら王太子のままでもいいのか
楊広や李世民のように追い落とさなければならない王族の競争相手はいないし
⑦ 人材登用
ドモスに敗れた大陸北部の旧王族・旧臣がドモスに降らず、或いは抗したりする人間がいるとすれば二重王国と組むと考えますが、クライシスで戦ったのはキャッスルより数年後なので寧ろイシュタールの方がクーデター未遂などで人材不足に陥り、士官の道もあると考える人もいるのではないか、と
例えば、クラナリア滅亡時に自害を謀ったが捕虜になった外務大臣のデュブック、仕えるように尋ねられ拒否して処刑されたか、或いは一度は従うふりをして出奔するとか…
宰相のスチュアートの一族とかは…
クラナリアの武官で戦死したマデリーンやウダルグやゾーラルの息子たちや一族、なども考えられます
また、娘はドモスに持って行かれたクラナリア王ホーパードの傍系の王族(たぶん息子のような直系はいないか斬られているだろうが)やエクスター王ハウバルの息子や傍系の王族とか…
西方城塞都市国家群はかなり政治的に大陸北部とはかなり離れているので、逃亡先としては有力かな、と
野村再生工場ではありませんが、こういった昔に関わるキャラが登場するならまた世界は繋がっている感も出ますし
クラナリアの出身であれば新ドモスの中心域であるクラナリアの情報を持っているので貴重ではないかと
こちらのキャラについては『神聖帝国への道』様のキャラ情報を活用させていただきました
'09/08/10
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