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考察:フィリックスの百日戦争講和に関して
(2008/08/23)
竹内けん
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しゅぴっつさんより話題転換があって、分散していては読み難かろうと纏めてみました
更に最近の野暮天さんとのやり取りをバージョン2としてまとめます
経緯から野暮天さんの案もかなり取り入れさせていただきました、有り難うございます
1. ('09/10/23)
① 講和の意義
フィリックス殿下のクライシスでの年齢についてはさて置き、何故彼が講和の仲介を申し出たのか
イシュタールの国益と動機から考察していく
a.フィリックス殿下の気持ちから
キャッスル&クライシスで語られている彼の性格として、長期に渡りそうで犠牲者の多い戦争を止めようと思う人としての心情から
有り得ると思うのですけど…
b.国際的に名を売る機会
この二大大国の戦乱を収めれるとすれば、大陸での殿下の知名度とイシュタールの国威を示すことになる
c.懸案事項の副次的解決交渉のキッカケ
神聖帝国への道さんの所へも書きましたが、ドモスへは謀反人ヒルクルスの引き渡し要求、二重王国へは(おそらく)同盟国のペルセポネとの和平交渉
両国の最大の懸案を纏める傍ら、自国と関わる二国にはより重要度の低い案件での譲歩を求める
d.交渉の場に立つ事により二国の人物や国風を肌で感じる事が出来る
王太子自らが積極的に二国を往復した、とありますので、学ぶところ大だったのではないかと
b.c.dはおそらくシャクティの献策によると妄想します
bに関してはそれ程補足の説明は要らないのではないかと考えます
cに関しては、確かにイシュタールと二大大国とは利害関係の無いとの記述はありますが、ドモスには国事犯が、しかもインフェルミナ侵攻の記述から“公然”と存在しますし、シャドウのイシュタールからの養子縁組みという記述からイシュタールとペルセポネはかなり友好的であると考えられます
『ローマ人の物語』でカエサルの記述で、政治的にうまくやっていく条件の一つとして、私益・他益・公益の合致する案であればうまく受け入れられ円滑に事が進む、とありました
この場合、私益がフィリックスの戦争を収めようという気持ち、他益が二国の事情による仕切り直し(二重王国については記述が有りませんでしたが、ドモスは各地で反乱や謀反が起こってますよね)が出来る事、公益(イシュタールにとって)が謀反人の追求によるヒルクルスに関する言質を取るとか交渉の窓口を作る(常駐大使の派遣とか)やペルセポネの為の和平交渉のきっかけやイシュタールの知名度を上げる、などとなります
② イシュタールのこの時の情勢
現実の外交史で、二大大国の交渉を纏め、条約を守らせるような国(とはいえ情勢が変わるまでという期限がありますが)は決して小国ではありませんでした
ロレントのような武断主義の君主なら尚更な気がします
よって、フィリックス殿下の年齢はともかく、イシュタールとしてはある程度西方城塞都市国家群の中では中心的な働きの出来る国に成長しているのではないかと
国、ということであれば、スタッフを含めての仲介国イシュタールであり、少年君主でも交渉のテーブルにつけるのではと考えます
おそらく事務方のルイーズや相手の意図や落とし所を読むのはシャクティといったサポートは必要でしょうけど
取り敢えずここまで
要望があれば、更に述べたいと思います
2. ('10/4/24)
① 両国の情勢
破竹の勢いで十数ヶ国を蹂躙してきたドモスだが、メリシャントが降伏した事により隣接することになった二重王国のセリューンによる反撃策を受けることになる
則ち、国王の従属策を弱腰・国辱と感じたメリシャント重臣達に働き掛けクーデターを起こさせ親二重王国・反ドモス新政権を誕生させた
それに対しロレントは直ちに反撃を決意し、自ら六万を率いてメリシャントへ南下した
当時、インフェルミナを占領し統治と慰撫に努める予定であったろうが“ドモスの副将”クブタイを責任者にして五千を残し撤退した
一方、セリューンも二重王国四万を率いて北上、ロレントと対峙する
両軍の激突は苛烈を極め、共に全軍の二割を失う(近現代戦では部隊の三割損失で部隊の全滅と見做す)という大損害を受け、主要な武将の戦死者も出している
ここまでの激戦ながら両軍共に勝機を掴めず、膠着してしまう
この対峙の間にロレントは事態を打開すべく動き出す
a.外交策として
二重王国の包囲網の形成
昔からの敵国の二重王国の隣国であるペルセポネ・エトルリア・ローランス・(おそらくはヴァスラにも)働き掛け、主力の居ない本国を突くようにと要請した
しかし、リカルドのクーデターによりエトルリアが包囲網より脱退、またヴァスラもインフェルミナ占領によりドモスと接することから自衛として二重王国側についた
b.戦略として
態度の不明なフレイアに亡命元王子が撹乱策を提案、千で劫掠に向かう
これは今のところ上手くいっているようではあるが…
ジェネラルの主人公がフレイアの王族リュシアンで、ハーレム世界が基本ハッピーエンドなので、彼が将軍としてフルセンと匪賊の頭目を撃退する可能性が高い?ので、そうなれば当面のドモス西南戦線への不参加という目的は達したにせよ、結果としてドモスに強い敵意を持つ国家をまた一つ生み出す事に…
更に対エトルリア・ヴァスラへの防衛に当てていた軍勢をインフェルミナ解放軍の援軍に回すことが出来、アリオーンは自分の国を取り戻した
インフェルミナ・二重王国・ヴァスラ・ラルフィントのレナス派という連合軍で兵力において上回っていたとはいえ、不敗との印象の強いドモス軍を撃退し、ドモスの副将と名高いクブタイを戦死させたことは、全ドモスで抑えつけられていた旧王国の遺臣・民衆を一斉蜂起させる
各地の反乱を速やかに対処しなければならなくなったロレントだが、不用意に撤退すればセリューンの追撃により大損害を受けかねず、動くに動けない
一方、セリューンもインフェルミナで撃退した戦果があるとはいえ、同盟国から戦利品を収奪する事もできず、強兵ペルセポネに余剰戦力の再振り分けも必要で、仮にメリシャント方面に廻せたとしても勝算もなく仕掛ける訳にもいかない…
お互いに八方塞がりになっていたのではないか、と
② イシュタールへの働き掛け
この時のイシュタールは仲介に出たフィリックス王太子、とあるので即位はしておらず、実権も未だクリームヒルト公にあるとして展開します
おそらく隣国四国の王太子妃候補を殿下は上手く捌いてより友好的な関係を築いていると推察します
すると、ペルセポネの一万(四万強の兵力を有する二重王国に仕掛けているからには二万強あるかも知れません)とイシュタールの一万、他の国も同程度の国力とすると各一万弱くらいずつで計五万強を有する連合勢力となります
これは兵力的にメリシャントの膠着状態を打開する決定力と成り得るので、ロレントもセリューンもどうにかして自陣営に組み入れようと好条件で勧誘してくる、という推察です
ロレントの提示条件としては、彼の価値観から(人は自分の好むやり方を一番上手くやり遂げる、ようなので)
a.金銀財宝・珍品の贈り物
b.美女計とは言わないまでも美女(複数?)の贈り物
c.占領した二重王国の領域のイシュタールの領有の承認
などでしょうか
ここで、セリューン側のイシュタールへの勧誘条件が思い浮かびません
ペルセポネ方面の領土の割譲・譲歩は、自分から提案するのはこれまで生死を賭けて戦ってきたサブリナ兵の不満を生み出すでしょうし…
貿易の優遇も、二重王国側から言い出すのでは、それ程魅力的ではないでしょう
③ イシュタールの政策決定過程
この優位な情勢に際し、イシュタールが積極的に軍事行動を取ることも出来た訳ですが、殿下は講和の仲介の労を選択しました
その方向付けになった要因を述べていきます
a. クリームヒルト公の反対
未だ実権を握っていると思しき彼は、ヒルメデスの方針を否定したように、積極的軍事行動は肯首しないでしょう
どうあっても兵は凶事で軽々しく用いるものではないと孫子も戒めていますし
大陸に打って出る、というのは彼にとって勝算の無い博打のようなものでしょうから
b. シャクティの献策
専ら野暮天さんの案ですが
ロレントの勧誘に対し、彼女がこれは彼の二重王国との共倒れを狙った策だと看破する、と
イシュタールがドモスとの共闘を信じてメリシャントへ向かうか、本国へ進軍してセリューンが動けなくなったら軍を取って返し内乱を鎮圧しに回るだろう、と
故にここは静観して、両陣営から不干渉の代償をもらうにしくはない、と
c. 軍の不安要素
百日戦争講和からキャッスルスタートまでが月日として明確ではないですが…
一つは、イシュタール軍がヒルメデスのクーデター未遂から回復しきれていないか、回復したばかりの頃かと
二つめは、ペルセポネ軍がシャドウで語られていた君臣の離間工作により人の和を欠く可能性が有ること
があり、軍事行動には難しい面があります
d.フィリックスの気持ちから
和平を望む彼の気持ちも無論有るでしょう
私としては、クリームヒルト公のやり方を見て政権奪取を決意したように、ロレントの人となりや占領下の土地の様子、セリューンの二重王国を目の当たりにして何かを感じ取ってくれれば、と
今のところキャッスルの話題が王太子妃候補の選定なので、クリームヒルト公より権力を奪取して良い国を造るという決意をした殿下ですが、未だ大陸の情勢に関しては手が余るようなので
ドモスの支配による興廃した・治安の悪い有様を見て、どげんかせんといかん、とか、ドモスの統一支配政策に対する義憤を抱いてくれれば、と
塩野七生のローマ人の物語で、優れたリーダーの資質として、持続する意志、が挙げられていましたが、その意志の決意の原点になれば、と
幕末の志士たちの活動も、このままでは日の本は異人に占領されてしまう、という切実な危機感がありましたから
④ イシュタールの目標成果(外交的戦略目的)
野暮天さんの説から両国の危難に小康状態を作ってあげる、という方針であれば、怨恨にならない程度の譲歩を引き出し、イシュタールの利益を図る、というのが殿下の目的にもなるでしょう
a. 対ドモス
・ メリシャントに隣接するイシュタール連合国への不可侵、監視兵・城塞建設の承認
これは連合の自衛の為の必然から来た条項でしょう
・ 連合とドモスとの間の新貿易協定でのイシュタール有利の条項
未だオルフィオの改革前で然程ロレントは重要視していない可能性もあり、上手くいけばかなり有利な条件が締結できるかも
・ 両国(三ヶ国間の可能性もあり)での恒久的な大使の設置
中世ヨーロッパのようなある程度の外交官の地位が有るとは言えないかもですが、価値はあるかと
・ ヒルクルスとの無関係の言質
表向き支援させない・孤立化を図る、という目的もありますが
イシュタール継承者ではない、と無視する手もありますが、私はイシュタール連合の連合法の権威や実効性を示すものとして利用すると前2395;書きました
また、殿下が朱雀神殿の庇護者としての立場を取ったり、また“聖婚”を成したりした場合、朱雀神殿にとってもミルクア大聖堂での行為は神殿の品位や権威や神聖さを損なうものであり、亡命元王子は罪人です
責任者であるユーフォリアは神殿側で処断可能でしょうが…
殿下としては表沙汰にしない方向で神殿と交渉するでしょうから、神殿の僧兵やイシュタールの女騎士に頼朝が義経の追捕を口実にして地頭を置いたように監視を置く事も交渉次第では可能かと
b. 対二重王国
・ サブリナ-ペルセポネ国境の再制定
条約で歴史的にも争ってきた国境のペルセポネに有利な線引きを
・ 貿易条約の改定
大河リュミネーの河川貿易はおそらく大陸でも屈指のものと思われ、その関税や通貨レートやまたは手数料をイシュタール有利なモノに取り決め直す
また、コンスタンチノープルにヴェネツィアやジェノヴァの居留地が認められていたように少なくとも河で繋がっているプロバンス(出来ればエレオノーラにも)に認めさせれば、と
・ 大使館の設置
やはり恒久的な交渉の窓は必要だろうから
と、いったところでしょうか
母子姦のアンソロジーから
(2009/03/25)
吉田 ふらわ
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表紙の母子は前のコミックにも登場のようです
先生のお気に入り?
オークスの雑誌は最近読んでないので、アンソロジーからかと
絵柄から明るい感じでも結構無理矢理なお話しもあったり